カクヨムでSNSで書くこと、読むこと、伝えること

丸毛鈴

小説投稿サイトが桃源郷に見えた話

 カクヨムにはじめて来たとき思った。

「桃源郷はここにあったんだ!」。


 ところで。わたしは人のブログやエッセイを読むのが好きだ。このエッセイを開いた人の中には、同じような人も多いのではないだろうか。

……なのだけど、「書きたくて書いている」人を探すのはけっこう難しい。


 わたしはここに来る前は、ブログをずっと書いていた。

 ブログはアフィリエイト目的の人も多いし(それ自体悪いことじゃないけど、わたしの求めるものではない)、「好きな感性の人」を探したいときって特定のキーワードがあるわけじゃないし。


 ブログって、がっつり書いている人ほど「こんな時代に長文を書いてしまうわたしたち」「アクセスもそんなにないけど、なぜ書いてしまうのか……」みたいな斜陽意識がある書き手さんが多い(わたしもそう)。


 斜陽わよ……とヨワヨワと生きていたわたしだったけれど、ところがどっこい、カクヨムに来たら、小説だけじゃなくて、純度100%書きたいから書いているエッセイが多数ある。


っていうか、書きたいから書いている人しかいない。


書くのが好きな人が集って、なにかを日常的に書いている。お宝ザクザク。自分も書いたら読んでもらえる(PVがゼロじゃない、の意)。小説投稿サイトは桃源郷に見えた。


 でもその桃源郷は、ずっと前からあったのだ。わたしが知らなかっただけで。いや、サイトの存在は知っていたけれど、こんな桃源郷ユートピアだとは知らなかった。


たとえるなら、「山で育ち、荒野をさすらっていたら海沿いに出た。そこには壮麗なお城と心躍るアトラクションがある一大テーマパークが広がっていた。みんなネズミの耳をつけて楽しそうだ。わたしもいっちょ耳つけて遊ぼう。しかし世の中にはこんなにいいものがあったのか……。えっ、よ、40年前からあるんですか……!?」みたいな話なのだと思う。


 遅れてやってきたカクヨムで楽しく遊んでいたある日。Twitter(X)あやうし、ということで新天地を求め、わたしはMisskeyというSNSへやってきた。わたしが入ったのは一次創作者のための専用サーバー。そこではみんな自作について楽しそうに語っていて、いろんなものを作っている。

 しかも、一ノート(ツイート)3000字も書けて、直貼りでエッセイをえいやっと投げれば、読んだ人が絵文字で反応してくれる。「エモい」「良い……」「ココロにぐっとくる」などさまざまな絵文字があるので、感想に近いものをもらえるのだ。


こ、こんないい世界があるのか……?


 好きだから書いているけれど、やっぱり投げたものに反応があるのはうれしい。なんだかんだ言っても、やはり誰かに届けたくて書いているのだから。


 何より、創作の姿勢が合う人に出会えるのも楽しい。カクヨムやMisskeyに来る前は、「書く人は多いけど、読む人は少ないのでは」と思っていたけど、そんなことはない。創作でつながることだってできるのだ。


思えばTwitterだって、最初は好きな小説やまんが、アニメについてつぶやいているだけだった。そのうちに、ゆるいつながりができていったのだった。それはコンテンツの受け手同士としての話だけれど、送り手同士であっても同じようなことが起きるのだ。


 もうちょっと筆を速くして、この桃源郷を積極的に楽しみたい。そんなふうに考えている今日この頃だ。


※別の場所にアップロードしたものを加筆修正したものです。

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