修行

修行? 1年目 (ルナ)



僕が師匠、夜久ヤクと出会ってからどんぐらいたったかな。


多分一年くらい?いや、もっとかな〜?

うーん。まぁ後で師匠に聞いてみるとしよう。

そこまで重要じゃないと思うし?


あと何あったっけな〜。改めて思い出してみようとするとそこまで記憶無いんだよね。

何故かは分からない?うん、分からない。


とりあえず師匠の剣技についてちょっとくらい振り返っておこうかな?


師匠の剣技はなんか、こう、惹き込まれるというか?なんか世界遺産みたいな?そういう感じかした。それも完成間近だった世界遺産っていう感じ。


そして師匠の剣には流派っていうのはなかったね。


あくまで師匠の方針は基礎を完璧に固めてから自分だけの剣技を完成させていくみたい。


まぁ簡単に言えば『基礎できた?あ、そう。ならあとは大丈夫だな!!頑張れよ!』

っていう事だ。ハハッ、笑える。


でもそんな師匠にも可愛いところがあるんだよ!


この前『ししょ〜!いっしょに水浴びしに行こ〜〜!!』って凸りにいったら『な!?な、なぜ儂がおぬしの水浴びとやらに付き合ってやらんとならんのじゃ!!!』って刀の柄の部分で脳天かち割るぐらいの勢いで殴られたときはマジで死ぬかと思ったね。うん。



・・・・やっぱ可愛くないかもしれないって思ったそのとき!!










師匠が夜這いしてきたんだよね。












あ、ちなみに師匠は僕より少し低いくらいの身長でロリで吸血鬼だよ。


まぁこんな森の中に幼女ロリがいるくらいだから何か事情があるんだろうなーって思ってそのまま放置してたね。


で、そのまま放置していた結果がこれよ。

まさかの夜這い。

しかもそのお相手さんは吸血鬼で師匠だよ?


なにが起こるかはもう分かったようなもんでしょ?







当然のごとく吸血されたね。



あのときの師匠はかわいかったな〜

あれは、そう。

雷が怖いと言って『いっしょにねよ・・・・?』

っていってくる妹みたいだった。



最初は僕の顔をず〜っと眺めてたね。



でも、次第に恍惚とした表情になって。


段々と牙がその姿を表してきて。


そこから、もう、がぶっ、と。


まぁ、吸血されたといっても腕からだけどね?



吸血された時の感覚は・・・・・・うん、ノーコメントで。



そして吸血している時の師匠はかわいかったよ?



でも僕は素直にそう思えなかった。








泣いてたよ。師匠。






なんで泣いていたのか師匠には聞いていない。


いや、聞けなかった。


聞きたかったけど、聞けなかった。

聞きたくなかった。

恋人でもない僕が聞いていいことなのか?とも思った。



ヘタレって、意気地なしって言われるかもしれない。



でも、そんな言葉。今の僕にはどうでもよかった。





後悔、反省、絶望。


吸血が終わった時の師匠はもう、それら全てを含んだ、そんな顔をしていたよ。













『嗚呼、またなのか・・・』って感じの、ね。

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