　佐久間さんから預かった軍資金がさっそく役に立った。

　タクシーを使うのは躊躇うところだったからな。スマホで払うにしても使えるタクシーとそうじゃないタクシーがあるのでギャンブルになるからだ。

　軍資金がなければ、駕籠市の西にある地下道のトマソンはもっと後回しになっていたはず。

　だが今は状況が違う。

　まずは一番遠くのトマソンから潰していった方が効率的……のはず。

　結局、それが原因だったのか。

　それとも逃げようのない地下道に入ってしまったのが間違いだったのか。

　そう。

　結果論かもしれないが地下道に入ってしまったのが間違いだったのだ。

　僕のズボンのポケットのスマホが鳴っている。

　僕達が地下に入らなければ、もっと早くに連絡に気づけていたのかもしれない。

　それで事態が変わっていたのかもしれない。

　けれど、一体どこから……？

・番号１１３へ

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい