天使は天へと昇る

勝利だギューちゃん

第1話

『君は、覚えているか?

初恋のあの子の事を

既にセピア色に色あせてしまったが、

青春に1ページに、強烈なインパクトを残した

あの子の笑顔を


そう


天使のような、あの子の事を』


高校時代、学園のアイドル的存在だった、女の子。

学園だけでなく、他校にもその子のファンは多く、

一目見ようと、放課後には悪く言えば出待ちがいた。


その子が有名になったのは、地元のローカル番組に出演したこと。

その番組には、「美少女の部屋」というコーナーがあり、彼女はそれに出た。

以降、その子の人気が高まり、ファンが増えて行った。


僕はそれを遠巻きに見ていた。

同級生ではあるのに、アイドルより遠い存在に感じていた。



「もし、その子と結婚出来たらするか?」

答えは、NOだ、

その子には、いつまでも手の届かない存在であったほしかった。


そう、ほし「かった」


「私と結婚したくなかったの?」

「いえ、そんなことは?」

「本当に?」

「もちろん」


今は、妻となったその子が隣にいる。

なんで、子なったかと言うと・・・


「ねえ」

「何?」

「もし私が30までにお嫁に行けなかったら、もらってくれる?」

「いいよ。でも君ならたくさん候補がいるだろう?」

「そうでも、ないよ」


彼女はモテる。

なので、遅くても25までには、結婚できるだろう。

その約束は果たされることはない。


そのはずだった。


僕は、独身を通す気でいた。

そして、30歳の彼女の誕生日の日、彼女が押し掛けてきた。


「約束通り、お嫁に貰って」

「もう、してるでしょ?」

「してないよ」

「どうして?」

「あなたと結婚したかったから、30まで待ってた。あなたが独身を通すのはわかっていたから、男なら責任とってね」


で、こうなった。


まあ、楽しいからいいか

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天使は天へと昇る 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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