レベルを上げる方法
強くなるヒントを貰った俺は、レベルを上げるため家の近くの森の中にやってきていた。
なお、現在の俺は手にはナイフと落ちてた鍋の蓋を装備し、頭に鍋を被っている。
名前は……そうだな、初心者勇者装備とでもするか……。
いや、名前なんてどうでもいいか。
何故森の中に来たかというと……いたって単純。レベルを上げる手っ取り早い方法が魔物と呼ばれる動物を狩ることだからである。
正確に言えば、自分より強い相手と本気で殺し合いをすることこそが一番効率的にレベルが上がる方法になっている……そうだ。
原理はよくわからないが、そう言う事らしい。
因みにだが、この情報は全てグラハムが教えてくれた。
グラハム様様である。
「まあ、とりあえず魔物を狩らなきゃいけないわけだが……都合よくいい感じの魔物とかいるのか?」
なんて呟きながら、自分より背の高い草をかき分けて進んでいくと、いた。
草むらにちょこんと寝転がっている、小さな兎だ。
だが、小さな角が生えている。
アレは、魔物だ……たぶん。
この世界のウサギを知らないから、もしかしたらただのウサギなのかもしれないが……
「……いやいや、まあさすがにきっと魔物だろう。とりあえず倒し!?」
そう言った俺の視界の端に何かが映りこんだのに気がつき、反射的に避けた。
どうやら、兎はこちらに対して敵意マシマシのようだ。
「……バレてた。いや、声でバレた? いや、今はそんなことどうでもいいか」
兎は、そんなこと言う間も襲い掛かってくる。
その攻撃を俺は兎の突撃に備え鍋の盾を構え跳ね返していく。
「っ……重たい…けど、想像以上に想像以下……これなら問題なく狩れそう」
そうそう、グラハムが言ってたことだが魔物という生物は普通の動物より交戦的で、今みたいな感じで人間に襲い掛かってくるそうだ……まあ、つまり何が言いたいかというと、どうやら魔物で間違いないみたいだ。
「とりあえず、命……貰うね?」
そう言うと、兎が飛び掛かってきた次のタイミングで思い切り全体重をかけ兎を地面に抑え込み、首を切り裂いた。
「キィー……」
こうして、俺の初めての狩りは俺の圧勝で終わったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます