0015 ベルサイユ宮殿
この国に召喚されてから、1週間が過ぎた。
寝泊りは宿屋を使ってる訳なんだが、俺1部屋、玲子と茜、いろはとみどりと部屋の割り当て・・・その意味がない!
朝起きると、全員が俺のベッドで寝ている!しかも裸で!
・・・と言うのも、俺の嫁たちは、誰が一緒に寝るかと話し合いになり、俺は一人で寝るからと言ったのが不味かった。
嫁たちはお互いに「ぬけがけ」をするに違いないと考えた結果、こうなってしまったのだ。
ー***-
「今日は家を買いに行きます!」と俺は宣言をした!
原因は毎晩のように繰り広げられる嫁たちの争い事で、隣同士の部屋の人たちに迷惑を掛けてるからだよ!
どうやら、商人ギルドで家の仲介をしてくれるらしいので、お願いすることにした。
すると、ベル・ギルマスが直々にやってきて、数軒の家を案内してくれると言って来た。
今から見に行きますか?との事で・・・この辺りは不動産屋と変わらないんだな・・・と思いつつ案内をたのんだ。
見せてくれた家は、どれも豪華な屋敷ばかり・・・。
「こんなに大きな家は要りませんよ。5人で住むのに大きすぎますって!」
「いえいえ、オウカ様なら、これぐらいの家に住んでもらわないと・・・。」
「どうせ、人もすぐに増えますから。」
「どういう意味ですか?」
「給仕や執事なども必要でしょう?」
ふむ。確かに給仕や執事などがいるのは便利だし、令嬢アニメっぽい・・・玲子が喜ぶ展開だ。
「給仕?それってメイドの事?それに執事!いいわぁ〜!メイドが猫耳ならなおOK!」
・・・はい、決定です。豪邸に住むことになります。
色々と見て回った結果、ここが良いと玲子が薦める邸宅を見て俺は思わず声を上げてしまった。
「こ、これですか・・・玲子さん。」
その豪邸は「ベルサイユ宮殿」にそっくり!
「この家は、昔に「ル・ヴォー」と言われる人が、設計・建築指導をした屋敷です。」
はい、作った人は異世界人決定です!
「しかし、こんな宮殿では、僕たちでは買えないのではないでしょうか?」
「いえ、金貨10枚です。」
「へ?安!」
「この世界は住宅も安いのですよ。その代わり維持は大変ですが。」
「それは、税金とかですか?」
「それもありますが、オウカ様の場合は税金は免除でしょう。サリーナ様が召喚された勇者様ですから。」
「一番お金が掛かるのは、人件費でしょうね。特に料理人。これぐらいの屋敷に住むんです、宮廷料理人位の料理人を選ぶのが妥当でしょうな。」
「は?宮廷料理人?」
「作用です。」
「あんな奴、絶対に呼ぶかぁー!俺はあのクッソ不味い料理が嫌だから王宮を出たんだよー!」
「宮廷料理が不味いと?私は食べたことはありませんが・・・。」
「不味いね!料理人は俺らが選ぶ!もしくは俺らで作る!」
「そ、そうなんですか、ではこの家の購入という事で、よろしいですか?」
「あぁ、それでいい」
「いつから、住みますか?掃除に3日程、頂きますが。」
「じゃあ、5日後には、でもくれぐれも働きすぎないように。遅れそうなときは遠慮せずに報告する事、俺らは遅れても構わない。」
「畏まりました。では5日後に。」
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