第ⅩⅩⅢ章 開かれざる門

颯斗はライアーを瞬殺した。

我らは驚きを隠せないほどの力を見た。

「今日から10日後に解く。せいぜい足掻け…獣共よ。世界に終焉あれ…」

そう言って颯斗は我らを裏切り、黒ずくめのアフティエルと共に消えていった。

それから我らはスコルとハティが倒れているのを見つけた。

どうやら意識を失っているだけのようだった。

駆け寄るとハティは目を覚ました。

あれから起きたことを我は伝えた。

ハティは当然信じられないようだった。

「颯斗が…まさか、そんなことを……」

「うずくまっていても仕方がない。颯斗を止める方法を探さないと。実は我も気になっていることがあるんだ」

一同は首を傾げた。

「我の掠れた記憶に颯斗と一緒にいたのを覚えているんだ。颯斗と契約するよりも前の記憶なんだ。それがずっと気になっていてな」

「やはりウロボロスもなのか…俺も颯斗との記憶が少しあるんだ」

「僕も人間さんのこと少し覚えているよ…」

「不思議だな…私にはそのような記憶は全く無いな…」

「颯斗と契約しているのが何か関係しているのかもしれんな。いずれにせよこの記憶のことはまだ何も分からないままか…。それならば敵のことを探るしかないか」

「敵を探ると言ってもどうするんだ…?」

「アフティエル達は世界の終焉のために鍵の封印を解こうとしているのだろ?だがそんな大事を計画もなしに動いているとは思えないんだ。もしかしたら何か形跡を追えば何か分かるかもしれん」

我はそういったものの形跡はどこにあるのか分からずだった。

しばらく考えているとアステラの森での調査の時に見た禁忌の本を思い出した。

そして我らは本を見るためグランデ王国の国王に会いに向かった。

そして宮殿に着き、国王を呼び出した。

「これはこれは、颯斗さんの守護獣さん達では無いですか。どうされたのですか?」

「アステラの調査で見つけた禁忌の本を見せていただけないでしょうか」

「構いませんが、突然どうされたんですか?それに、颯斗さんはどこに…?」

我は国王に事態を説明した。

「颯斗さんが…そんな…わかりました。私ができる範囲でお手伝いします!」

「国王礼を言わせていただきます」

そして禁忌の本を開き、記憶にあった謎の文章を探した。

そしてページをめくっていくと所々消えた文章を見つけた。

「ア テ それは忌々し 。4 守護獣 今目覚め、争 沈め う。 王は子を り世を去 。後にグ ンデ 国に悲 がもたら 。 の 焉はもう だ。この 者へ世 を   れ。復 す だ。」

「これは一体なんなんだ?」

「これは我と颯斗で調査した時に見つけた怪文なんだが、文字が消えていて何か分からないんだ」

「ねぇねぇ文の最初のア テって黒フードが名乗ったアフティエルじゃないかな?」

「だとしてもそれ以降が全くもって分からんな」

すると突然国王が喋りだした。

「あの、今まで隠していたことがあって。実はこの王国はグランデ王国って名前じゃないんです。本当かは分からないんですが…」

「どういうことなんだ?それに分からないって…?」

「現在の私たち国王の家系は元々は一般市民だったんです。ですがある時Ⅱカタストロが起こってしまったんです。そして生き残った人の代表で私の先祖が国王になって王国も裏世界に隠して新たな王国を作り上げたんです。それがグランデ王国で、隠した王国はヴィルトゥエル王国という名前なんです」

我らは王国の名を聞きどこか聞き馴染みがあった。

「裏世界にある王国か…」

「そしてその禁忌の本はそのヴィルトゥエル王国の王が書き遺したものなんです」

「ならばこの本の意味はヴィルトゥエル王国に行けば何か分かるということなんだな?」

「そうです。ですが、裏世界など本当にあるのかも分かりませんし…それにあったとしてもどうやって行けるのかは分からないです」

「それなら大丈夫だ。ここにはハティ、それにスコルがいる」

「私達がなんだ?」

「お前達が揃っているなら月食日食をどちらか起こせばアーウェルサで門を開ける」

ハティは少し困った顔をしていった。

「それはそうだが、スコルは今意識が戻っていない。そうなると私が月食を起こさなければ行けなくなる。それで私は行くことは出来ない。それでも良いならいいのだが」

「構わない。スコルとハティはしばらくの間体を休めておけ」

ハティは礼を言った。

それからハティは月食を起こす準備に取り掛かった。

我らは門を開くためグランデ王国の門前で待ち構えた。

日が暮れ東から月が登ってきた。

すると月は徐々に暗く見えなくなって行った。

月が見えなくなる瞬間に我は神からの授けの詠唱を唱えた。

「沈め、喰らえ、我ら守護たる獣。全ての地を守り厄災から隠したまえ。神の名のもとにあらんことを…アーウェルサ…」

突然空間が歪み亀裂が入り門が開いた。

国王は初めて見る物に驚愕していた。

「さぁ、ヴィルトゥエル王国に行こう」

そうして我らは門を潜った。


現在のステータス

名前:?

年齢:16歳

スキル:メゲトス、コルセラピア

全体レベル:?

魔法適正:?

契約魔獣:ウロボロス、レヴィアタン

リンドヴルム


あとがき

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

本の秘密を知るためにヴィルトゥエル王国に向かうナミ達…どのような秘密があるのでしょうか。

次回第ⅩⅩⅣ章もお楽しみに!

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