トラブルから始まった、魔術師生活
@kaichouayatori
第1話 俺が消えた日
11月、もうだいぶ冬も身近になってきて厚い掛け布団を引っ張り出して被っている今日この頃、俺は不意に目を覚ました。
am 3:00
目覚まし時計はまだ鳴るような時間じゃない。
「いつもはこんな時間に起きないのにな」
寝起き特有のガサガサの声で小さく呟やく。
こういう時は目をつぶっていたら寝てるなんてことがザラだ、そう思い引き続き寝ようとしてみた。しかし、
目を瞑っていてもずっと目が覚めたままでなんなら布団を被っているのにどんどん寒くなっている気がする。
億劫だがベッドから降りて冷たいフローリングの床に足をつける。
水を飲みに2階の自室から一階のリビングに降りてコップで水を飲んでると違和感に気づいた。
家族写真が薄くなっているのだ
俺の部分だけ
それを見てからは眠気も吹き飛び写真に釘付けになっていた。
一分一秒と時を過ぎるごとに少しずつ確実に俺が消えてっている、それどころか両親に挟まれてたはずの俺の姿が別の人物に置き換わり始めている事にも気づいた。
恐怖でもう見てられず逃げるように階段を登り自室の扉を開けた、
同時に
言葉を失った。
半分俺の部屋では無くなっていたのだ。
所々女の子らしい装飾に置き換わっていっている。
机の上に広げていた学生証も顔写真や名前が変わっていっている。
そして何より、俺のベットに半透明の女の子が寝ている。
頭が混乱するが体は動き続けていて、必要なものをどんどん一番でかいバックに震える手で詰め込んでいく。
服、金、水、食料、竹刀袋に入れた木刀
あと何か必要が必要かと頭を回している時に
「な、何してるんですか?」
声が聞こえた。自分より少し幼い女の子の声だ。震えている、まるで恐怖しているように、
俺は着替えていたパーカーのフードをおもわず被った。
「だ、誰なんですか!け、警察呼びますよ!!」
今度は大きな声で俺を非難する言葉が聞こえる。
とりあえず今、ここにはいられない。
下からはこの女の子の声を聞きつけた親が駆け上がってくる音が聞こえる。
フードを一層深く被りリュックを背負い廊下に立つ。
駆け上がってきた親と対面する、
「誰だ君は!!!」
わかってたよ、なんとなく、でも、ちょっちつれぇなー
親父の横を強引に走り抜けて玄関につく、
もう俺の靴はなく年頃の女物の靴に代わっていた。
追いかけてくる親父の足音を感じ、親父の靴をパクって外に出た。
何が起きているかはわからないが俺は消えちまった。
何故か冷静に理解できる。
ここら辺にとどまるのはいけないだろう、すぐに警察が来るはずだ。
学校にも俺の痕跡は残っていまい。制服も、学生証も親の記憶でさえも目の前で改変されたらそう考えるのが当然だ。
だが早めに詰め込んだ服の着替え等は改変されてないことから、まだ何か突破口があるんじゃないかなと考えてしまう。
だが学校に行って不審者で捕まるというのもアホらしすぎる。今は、却下だ。
ここら辺の山に隠れてもどうせ直ぐに見つかる、やはり遠くまで逃げなければ、
俺はさっき考えたばかりのプランを実行に移すことにした。
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