NEXT...Gradi'oath 01




人の日常は、それぞれだ。

朝、気怠げに目覚め、一日を過ごして、また眠りにつくものがいる。

昼夜問わず半鐘の音に叩き起こされ、食料と心許ない武器を持って、戦火の最中に飛び出していくものもいる。

生きる糧を奪われつくし、失意の内に死んで行く者もいる。

――――少なくとも、彼の日常は平凡だった。

その少年は、普通の友人たちに囲まれ、平和な社会に暮らし、平穏な毎日を過ごす。

凡庸で、それでも恵まれた日々は静かに回リ続ける。

その裏に、暗い"澱み"を密やかに抱えながら。




第1章

始導シドウ




「・・・・どんな理由があったって、他人を傷つけて、誰かを悲しませて・・・・。

その記憶は、付き纏うんだ・・・・全部、諦めたくなるくらいに、重く・・・・」



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