30歳。彼なし、転職活動中。

@ishiko_aiai

第1話 プロローグ

気がつけば、30歳を迎えていた。

かつての私が思い描いていた30歳はもっとキラキラしていたはずだった。


結婚を考えるくらい真剣に6年付き合った彼と別れてから、恋愛とは距離をおいている。


合わない仕事をどうするか。

自分の天職は何なのか。


そのことで頭が一杯で、誰かを好きになる心の余裕はなかった。


それ以前に、日中は仕事で悩み、休日は学校に通い、課題に追われ、常に疲れていたからモテる気配はなかった。


私は本来、文系で美大を目指してたくらい感性優位な人間だったが、数字、正確さが求められるエンジニアの仕事をしている。


仕事で価値貢献しきれてなさに負い目を感じながら、今辞めたら迷惑がかかるとか、後輩が育ったら、とか、感謝して今出来ることをしよう!とか、どこかで言い訳をしながら同じ仕事を続けていた。割りと真面目な優等生タイプだった私は、頑張れば何とかなると思っていた。だけど、努力でなんとかなる、というのは限界を感じていた。上司には、ずっとお世話になって色々と良くしてもらっていたからこそ、辞めたいと言えなかった。

そんな私は社内であまり活躍出来ず、自分を責め続けた。

結果、人生初の病気になってしまった。

自己免疫疾患で、代謝が落ちてしまい、疲れやすく、太りやすくなる。だけど、仕事が出来ない程ではないし、それを理由に会社をやめるのも、なんだかお世話になった人に悪い気がした。

鏡に映った自分の顔は、パンパンで現実を直視出来なかった。


とにかく私の人生の全てが狂い始めたのだ。


わかっている。こんな状況を生み出したのは、どこか目上の人や組織に依存心があり自分の人生を生きてこなかった私自身の責任である。


自分しか自分を幸せにできない。

そう悟ったのだ。

徹底的に自分と向き合い、次のステージにい

こう。逆境を切り拓くのだ。


この数年間、人生の挫折を経験した一方で得られたこともある。


仲間だ。


私は、状況を打開しようとこの数年、とにかく好奇心の赴くまま学び、逢いたい人に逢いに行った。


先程まで、クリエイティブアカデミーで出逢った仲間とキャリアについて、2時間に渡りzoom で真剣に語っていた。

そんな中、全ての人生はストーリーであることを改めて感じ、日々の日記的小説を書くことに決めた。


なぜなら、私はこのままでは終わらないから。必ずハッピーエンドになることだけは決めているから。


今、輝ききれない私が、輝くまでのストーリーを綴ることで、いつか同じように悩む30歳の希望になりますように。








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