Google Bardスットコドッコイ作文練習帳~日本語対応版~

赤音崎爽

日本語対応してから分かった困ったクセ

 2023年5月10日付けで日本語にも対応するようになったGoogle Bard。

 ところが、相変わらず困った癖は健在です。

今回は、日本語対応以降新たに発見した困った癖をいくつかお伝えしていきます。


【日本語対応してから分かった困ったクセ1:生成拒否の確率が上がった】

2023年5月10日付けで日本語にも対応するようになったGoogle Bard。

「指示文を一々英訳する」という面倒な工程が端折れるようになったのはありがたいのですが、かえって「生成拒否の確率が上がる」という困った事態に遭遇するようにもなりました。


 傾向としては、「独自の世界観がある場合」や「会話文だけの文章を投じた場合」に生成拒否を起こされることが多いです。


 とは言え、チャーリイこと『Chat GPT』はいかなる文章を投げ込んでも「大抵は生成結果を返して」くれます。

 やはりこうしたところがジェネリックサービスの至らない点なのかもしれません(苦笑)


【日本語対応してから分かった困ったクセ2:「お経データ」が生成される可能性がある】

 生成拒否しなければ、大体の文章生成はしてくれるバーディーこと『Google Bard』。

 

『Chat GPT』と異なり、「ドラフト」と呼ばれる生成結果を最大3パターン返してくれることはGoogle Bardの最たる特徴ではありますが、出されたドラフトの丸呑みはいただけません。


 なぜなら、「お経データ」とでも呼ぶべき同じデータを繰り返しているだけの生成結果が出されている可能性があるからです。


 ちなみに、なぜこの現象を「お経データ」と呼ぶことにしたのかというと、浄土真宗のお経には「無限南無阿弥陀仏」と呼んでも差し支えないほどに延々と「南無阿弥陀仏」とだけ書かれているものがあるんです。


 そのため、「同じデータが無限南無阿弥陀仏のごとく連ねられている生成結果」を「お経データ」と称することにしたのです。


 実際、お経データは「見ているだけで脳味噌がバグってくる」ので、出された場合はダメ元ではありますが、即座に「良くないねフィードバック」をしておきましょう。


【日本語対応してから分かった困ったクセ3:「人格の切り分け」ができない】

 チャーリイこと『Chat GPT』もしばしばやらかすミスですが、バーディーは日本語対応して以降これをするようになってしまいました……。


なお「人格の切り分け」とは、「キャラの本名と呼び名の認識ができているか」ということです。


 例えば、「太郎」という名前の人のあだ名が「タロちゃん」であったとしても、私たち人間は「タロちゃん=太郎」と理解でき、「同じ人のことを指している」ことが分かります。


 ところが生成AIでは「太郎=タロちゃん」という図式の生成に失敗して、「太郎はタロちゃんと散歩に行きました」というような意味不明な文章を平気で出してくるんです。


 こうしたことからもやはり生成AIの出した文章の鵜呑みは賢い選択とは言えないでしょう。


【日本語対応してから分かった困ったクセ4:慣用句のミスチョイスが多い】

Google Bardの日本語対応後の困ったクセとしては、「慣用句のミスチョイスが多い」ことも挙げられます。


 例えば、「首を傾げた」とするべきところを「顔をしかめた」とするなどです。

「首を傾げる」なら、「疑問に思う」意ですが、「顔を顰め」てしまっては「ただの不快感の表れ」です。


 まだ「ひそめた」のが「眉」であれば良かったのですが、こうした選択ミスはやはり「一々直していかざるを得ない」ので、手間であることは疑う余地もありません。


 やはり「生成AIによる文章の野放し」は褒められない話でしょう。


【日本語対応してから分かった困ったクセ5:謎の「横展開」パターンがある】

 日本語にも対応するようになったGoogle Bard。

しかし、その結果、「謎の横展開をかます」という厄介な事象を引き起こすようにもなりました。


 確かに「アイディア出し」をするのであれば、「自動で横展開される」ことは悪いことではありません。

 とは言え、「小説の文章生成」で横展開をされてしまうと「出てきた話」は「本来とは全く関係ないもの」でしかありません。

 そのため、こうした「横展開のドラフト」には充分に気を付けるべきでしょう。

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