第174話

紗姫の家に帰りに寄り、メーテルに神への連絡をお願いした。

その時に紗姫に根掘り葉掘り帰りが遅かった件も含めて聞かれた。

疲れていたのか言われるままに素直に全部ゲロった。



「ふ~ん・・・天音たちとカラオケ行ったんだ・・・」

「え?・・・埋め合わせだな・・・」

「埋め合わせね・・・」



この時、俺の直観力は機能していなかったか壊れていたのだろう。

次の日、教室でお座りすることとなる。

用件が終わると疲れていたのでそのまま家に戻り何時もより少し早く寝入ったのは仕方ないことだ。


次の日の朝、何時もの様に紗姫、京が迎えに来て途中で清美と合流して学校へと向かう。



「茂武~」

「何だ、清美?」

「昨日、私たち以外のメンバーでカラオケ楽しんだと聞いたけど?」

「え?」


紗姫の方を見るとにっこりと微笑むが多分笑っていないであろう雰囲気を醸し出している。

京も頬をぷっくりと膨らませている・・・かわいい、いや、違った、怒っているようだ。



「それで?私たちに内緒でカラオケに行くとか狡くない?」

「え・・・それは・・・そう、埋め合わせだ!!」

「ふ~ん・・・ギルティーーー!!」

「え?」

「教室で天音たちを交えて話しましょう!!」

「はい・・・」



三人ともそれ以降は普通の態度でそれがまた怖いような気がする。

天音も合流して学校へと向かうが察しの良い天音が雰囲気で何か察したようだ。

教室に行くと少しして智が登校して来たので乙女は上の学年なので今回は除外。

被告人、俺・・・弁護人、天音と智・・・裁判官、紗姫と清美と京で開廷した。

俺は雰囲気から取り合えず自分から床へとお座りしている。

クラスの者たちが好奇の目で見ているが今はそんな事にかまっている場合ではない。



「被告人、茂武!昨日、天音・智・乙女さんとカラオケに行って遊んだことに相違無いか!!」

「御座いませんが、お代官様!」

「裁判長と呼びなさい!!」



意外と清美ノリノリだ・・・

いや、全員がノリノリの様な気がするのは気のせいか?

天音と智もしっかり弁護宜しくな!!

あれっ?・・・天音と智が半笑いで俺を見て来るのですが・・・



「裁判長!!」

「何かな?」

「司法取引を要求します!!」

「司法取引ですか・・・」



結局は紗姫・清美・京とカラオケに行くこととなった。

最初からそうすればよかったのだが、俺も気が回らなかったようなので次からは注意だな。

「くそ、茶番か!」「イチャコラしやがって!」「ハーレム王死すべし!」「爆ぜろ!爆発しろ!!」とクラス男子っからのののしりが凄い・・・

次回からは本当に考えて行動しないと変な反感を買う事にもなるので気を付けようと心に誓った。

その日は何とか何時も以上の怨嗟の視線に堪え乗り切った。

家に帰ると神がソファーでお茶しながら待っていた。



「やあ、おかえりなさい」

「ああ、ただいま」



直ぐに向かいのソファーに腰を下ろすと母が何時もの様にお茶とお菓子を用意してくれた。

今日は神のお土産はケーキの様だ。

妹が喜びそうだと考えていると。



「それは良かった(ニコッ)」

「ああ、妹の機嫌が良くなりそうだ」

「それでは、聞きたいことがあるとの事ですが?(ニコッ)」

「紗姫たちをあっちの世界で勇者をさせて悪魔に手出しし辛くするという事なんだよな?」

「そうですね(ニコッ)」

「紗姫たちがやれるのか?」

「やれるかどうかでは無くて、やるかやらないかだけですよ(ニコッ)」

「それはそうだが・・・」

「ご心配でしょうね~(ニコッ)」

「まぁ・・・俺たちも一緒に行けるか?」

「行くことは可能ですが、貴方たちが一緒に来ると意味がありませんよ?」



神は珍しく困った顔でそういう。

考えてみれば俺たちは一度魔王を倒した経験があり向こうの世界で成長したと言える。

成長を狙い向こうで修行的に魔王を倒そうと言うのに引率者が居るのは意味がないと言われればそんな気がする。



「大体その理解で良いですよ(ニコッ)」

「あ~そうだよな~・・・」

「着いて来ても構いませんけど・・・手出ししないことが条件ですし、アドバイスも出来ればご遠慮願えますか?(ニコッ)」

「いや、解った・・・」

「簡単に言うと私の管理するあの世界で魔物を倒すだけが成長の糧ではないのです(ニコッ)」



確かに言われてみればあちらの世界では色々な経験をした。

仲間とワイワイと騒いだり、見知らぬ者同士でも協力して物事に当たったり、貴族と争ったり、等々・・・



「そう、全てが魂を磨く成長の糧となるのです(ニコッ)」

「魂を磨くか・・・その意味が大きいと?」

「そうですね、もし貴方が付いてきたら如何なります?(ニコッ)」

「あ~俺に頼るな・・・」

「そう言う事です。お預かりする者たちの成長をお楽しみください(ニコッ)」

「そうか・・・あ~確認なんだが・・・」



その後は神にまだ聞いていない必要事項聞いた。

定員は特に無いが、多過ぎても意味が無いだろうという事であちらに行くのは紗姫・清美・京の3名で、期間に関しては魔王を倒すまでなので3~5年ほどだろうとのこと。

魔王の強さは前回俺たちが倒した魔王の5~7割位の強さで時間を置くと勿論魔王は強くなる。

報酬は前回同様だが、俺たちの期間と比べ短く魔王も弱いので俺たちと比べると半分位の差になるだろうと予測しているとのことだ。



「連れて行く者にとっては数年単位ですが、残る者たちから見れば10分程の時間ですからね(ニコッ)」



あ~忘れていたよ・・・確かに俺たちが前回行った時は朝登校してHR前には戻って来たんだった。



「まぁ先ずは行くかどうか本人たちに確認してみるわ・・・」

「はい、回答お待ちしております(ニコッ)」



神はそう言うと用事が終わったと判断したのかお暇の挨拶をして帰って行った。

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