第126話

GWに鼠の国へ行くこととなったが、今回は大人数である。

今回の参加者は俺、天音、智、紗姫、清美、京、タツ、朱莉さん、蛭田の同級生たち。

乙女、一美さん、蓮美さん、涼子さんの3年生に杏子、小町、花の1年生。

妹の舞香に引率兼運転手としてメイドの女井戸さんと柊さんの19名である。

本当に中々の大人数ではある。

団体割りがきくかな?と思ったが少し人数が足りなかったようだ、残念。

GW前日の夜から移動してGW初日から鼠の国へ行くと言う力の入れようであるが、皆楽しそうである。

ここ最近の話題は殆ど鼠の国での行動で、「どれに乗るか」「ここに行きたい」という声が飛び交っていた。

蛭田だけが「陰キャラの行くところではない・・・」と言って未だにごねている。

まぁ蓮美さんたちに強制参加を言い渡されたようで彼の意見は通らない。

「空気を読んで地雷を踏まない様にだけ気を付けろ」と言ってたら、鼻で笑われた。



「蛭田よ、お前何かムカつく」

「は?忠野には陰キャラの気持は解らんよ」

「は?何その上から目線」

「陰キャラについては俺の方が詳しい、何故なら俺が陰キャラだからだ!!」

「・・・まぁそれで?」

「地雷を踏むな~?地雷がどれか解らんから防ぎようもない!!」

「おま・・・それは陰キャラ関係無いからな・・・」

「いや、地雷が解らないから陰キャラなんだ!!」

「卵が先か鶏が先かみたいなこと言うなよ・・・」

「違う空気読めれば俺は・・・」

「まぁそれ言うと池田とか空気読めたか?」

「あ、彼奴はまた別のベクトルだ!!」

「別のベクトルって・・・」



そんな話をしていると、タツが話に加わって来た。



「お前ら何の話をしているんだ?」

「忠野が陰キャラの気持ちを考えないでものを言うんだ」「蛭田が空気読めないから陰キャラだとか訳の分からないことを言うんだ」

「一遍に2人同時に言うなよ・・・」



事の経緯を話すと「お前ら馬鹿なこと話してるな・・・」と呆れられた。

まぁ蛭田の気持ちは蛭田にしか解らないのは理解している。

俺の気持ちは俺にしか解らないのと同じだ。

ただ、蛭田は陰キャラを逃げ口上に使っているのが何か釈然としないだけだ。



当日は何時もの様に駅前集合となった。

放課後に一度家に戻り用意してからの集合となった。

家に帰ると妹が待ち構えていた。



「お兄、早く行こうよ!!」

「いや、俺はまだ着替えても無いから無理だ、それにまだ速すぎるぞ」

「え~~じゃあ紗姫姉迎えに行ってくる!!」

「迎えに行くのは良いけど急かすなよ」

「分かった~」



そう言って紗姫の家へと妹は向って行った。

楽しみにしているのは分かるがせっかち過ぎるぞ妹よ。

俺は自室に行き着替えて用意していた旅行に必要な物一式入れたカバンを持ってリビングへと戻った。

少しすると妹に背中を押されながら紗姫がやって来た。

「舞香ちゃんまだ早いよ~」と言いながらも嫌かっている感じでは無い様だ。

何だか微笑ましい光景である。

時間も丁度良い感じとなり3人で家を出た。

舞香は鼻歌で鼠の国のテーマソングを歌っているのでご機嫌なのは見て分かる。

紗姫もそんな舞香と手を繋いで歩いている。

何時もの場所で清美と合流した。



「清美姉!!」

「舞香ちゃんこんにちは、楽しみだね~」

「楽しみ~猫さんもこんにちは」



ヴァイスも尻尾をヒラヒラと揺らし挨拶をしている様である。

今回は視える人間も居るので話さないことにしているようだ。

メーテルも同じようで紗姫の頭の上で大人しくしている。

本当に空気を読むに長けた神獣である。

そして、待ち合わせの駅に着くと天音が先に来ていた。

柊さんをお供に居るので若しかすると送ってもらったのかもしれない。

天音は白いワンピースを着ている。

とても似合っていて白色は天音の為に用意された様に感じる程だった。

何時もの様に装いを有りの侭に褒めると柊さんが驚いていた。



「茂武様、何時もそんな事をしているんですか?」

「勿論、求めに応じてですけどね」



苦笑いをしながらそう言うと「それでも流石です・・・」と褒められた。

勿論、紗姫と清美も既に装いを褒めている。

何時もしているのこなので最近は自然に感想を言えるようになったと思う。

そうこうしていると、バスが到着した。

バスが停まると智が降りて来て挨拶をする。

白の無地のYシャツにホットパンツと可成りラフな恰好ではあるがとても似合っていて綺麗な脚線美を惜しげも無く晒していた。

そのことを褒めると「茂武は気にいった?」と聞かれたので「智は何を着ても似合うけど気にいった」と答えておいた。

それを見て柊さんがまた驚愕していた。

最近あたり前に思っていたがそんなに驚くことだろうか?

まだ他のメンバーが来ていないのでそのまま待っていると京が来た。

京はクラス委員の仕事があり少し学校を出るのが遅くなると言っていたが思った以上に早く終わったようだ。



「京ちゃん~」



京の姿を見つけるとブンブンと手を振り笑顔で迎える舞香。



「遅れた?」

「いや、まだ他に来ていない者も多いぞ、京こそ早かったな」

「そうなの?急いで仕事終わらして来たけど良かったわ」



話している内にタツ、朱莉さんカップルも来た。

そして、少しすると3年生のメンバーがやって来たのだが、何故か全員分の荷物を持つ蛭田がセットでやって来た。

聞けば先に合流した蓮美さんの荷物を持ってた蛭田を見て一美さんが面白がって「蓮美だけ特別なのね~」と揶揄ったら蛭田が残りの者の荷物も持つと言い出したようだ・・・

着いた早々でどっと疲れている蛭田・・・頑張ったね。

そうこうしている内に1年生もやって来た。

全員揃ったが妹と初顔合わせも居るので初顔合わせの者を紹介しておくこととした。

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