第23話 女子四人


「ヤオキ様はドラゴンの巣にも行かれたのですね」

「ヤオキでいい様はいらんよ」

「じ、じゃあ、や、ヤオキで」

「何一人だけ顔を赤くしてるのさ!抜け駆けしてさ!」

「あれはしょうがないことなのです!」

「私もヤオキでいいのよね」

「当たり前じゃ」

「ヤオキー」

「それよりも三人の服と防具と武器を買うぞ」

 今いる街は大きいしいいものが揃っているだろう。

「私達お金ないですよ」

「買ってやるから選んで来い」

「「「やったー」」」

「ヤオキ。下着も」

「選んで来い」

「ラジャー」

 三人はまずは下着から選びにいった。

 それよりも金を渡したほうがいいだろうな。

「ヒスイ」

「はい」

「一人王金貨一枚な」

「え、そんなに!」

「いらないか?」

「い、いります」

「んじゃはい」

 王金貨三枚渡して俺は俺で刀のメンテをやったり出来るな!

「待てヒスイ」

「はい」

 マジックバックが確かあったはず。

「これマジックバックだからこれに入れていけ」

「はい!ありがとうございます」


 やはり夜ギリギリに帰ってきた三人はイキイキしていた。

四人部屋と一人部屋を借りてあるから四人部屋で今日の戦利品を確かめている様だ。

「ヤオキこれ」

「釣りも待っておけ」

 何かの時にいるだろう。

「はい」

「下に飯に行くぞー」

「らじゃー」ダーっとおりていくトパはニカっとして今日買ったばかりの服をくるりと見せつける。オーバーオールに黄色のTシャツだった。似合うな。

「おー似合っておるぞ」

 元気っ子のトパらしいな。

「お待たせしました」

 パンツルックの二人はラフな格好で上はTシャツだ。

 マリンが三日は欲しいと言っていたので明日も買い物かな?

 四人でご飯を食べる、誰かと食べるの久しぶりじゃな。

 美味い飯を食っておると“バン”と扉が開く。

「どこのドイツじゃヤオキというやつは?」

「わしじゃけど」

「お前が娘を誑かした相手か!」

「あなたになにがわかッ」

 ヒスイにここは任せろと言って出て行く。

 ワシより低いが横幅があるな。

「ワシは断ったほうじゃぞ?乱暴な行いは外でやろうではないか」

「ほう!そこまで言うなら出て来れるもんなら出てこい」

 多分マリンの親父は外に出て行くとゴロツキがまとめて入ってきそうなのを蹴って退かすと刀を抜く。

「死にたい奴だけ入って来い」

「何言ってグッ」

「まず一人」

「さて何人が血に塗れるのかのぉ」

 まあ、斬ってないがな。

「全員でかかれ」

 一閃!峰で打ったが骨の一本や二本は覚悟しているだろう。

「ワシはマリンが欲しいと言ったわけではない!マリンがついてきたいと言ったから待っているだけじゃ!」

「そ、それじゃマリンが行きたくないと言えば?」

「連れて行くわけなかろうが」

「わかった」

「皆の者帰るぞ」

「エリアヒール」

「すまなかったな」

 なんと言って説明したのか聞いてみたいぞ。

 二日目も朝から元気なトパにダイヤも元気いっぱいだ、ヒスイはお淑やかにしている。

「今日も自由行動な!各自ちゃんと小遣いはあるよな?」

「「「はい」」」

 んじゃ解散ってことで女将に少し多めに金を渡しておく。ダイヤは処女だったからだ。

 街をぶらついていると石畳の道が情緒があり坂から見える風景が綺麗としか言いようがない。売ってるものは串焼きなんかだけどな。

 そろそろブーツを新調しようと靴屋を探して路地に入ると靴屋があったので見てみると古い靴ばかり置いてある。ここじゃないと、大通りで探すとブーツが見えたのでここでいいかとブーツを探すやはり黒が汚れが目立ちにくいので黒になってしまうがブーツを購入、あとベルトもそろそろ替え時なのでベルトもいいものを買った。

 

 いいものが買えたと思ったら悲鳴が聞こえたのでみるとマリンが飛び降りていた。走って抱き留める。

「何してんだマリン?」

「ヤオキ様」

「マリン…」

 親父さんが上からのぞいていた。

「とりあえずは家に戻りなさい」

「はい」

 家に戻すと靴の感触を確かめる。やはりいい靴だな。

 明日来なかったら出発だが、マリンは大丈夫なのか?


 さて、トパも処女だったと言うことがわかったわけだが小さな馬車でも買って行こうかと言う話になった。歩きだとまたきついしな。と言うことで馬車屋にきたが。馬が気性の荒い馬しか残ってないと言うことだったが俺には懐いた様だ、売れないと思っていた馬が売れて喜んでいるので二束三文で売ってもらった。荷馬車はちゃんと買ったがな。


外に出るとマリンと親父さんがいた。

「娘を頼む」

「わかりました」

 マリンは抱きついてきて、泣いていた。

「ではいってきます」

「落ち着いたら手紙をよこしなさい!」

「落ち着ける場所があればいいのだが」

 次の街までヒスイが御者をしながらトパに教えている。

 最終的にはマリンに御者を任せたいと思っているし冒険者証も作らせないとな。

 ヒスイ、ダイヤが剣でトパは弓だった。

 マリンには槍を持たせたいと思っている。

 まだまだ先の話だけどな。

 次の街を目指して旅を続ける。尻が痛いので荷車の改良が必要だと思った。まぁ、少し改良するだけでだいぶ違うだろう。

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