278 帝国四天王ドミトリー1

ある日俺は男爵領内に偉く強そうな気配を漂わせる影を感じた。ただならぬツワモノがおれの領内、壁の外の街にいる。何者だ?敵か?あるいはそれ以外か?いずれにしても放っておくわけにはいかないだろう。何者なのか接触を試みてみよう。


城壁の外には段々と周りから人間が集まって町を作り出していた。水汲み場から東に道を通して有りそこに面してバラック小屋のような家が沢山でき出している。露店もそこそこ見かけるようになり怪しげなものが売られている。


俺とエンビーは不審なツワモノに接触するべく町に出向いた。アダムタイトの鎧を着てもしも時の防御も手を抜けなさそうな相手に会うために気配に向かって近づいてゆく。


背中に大きすぎる大剣を背負った革鎧の大男、こいつがそうらしい。奴も俺たちの気配に気づいてこちらを振り返る。身の丈は210cmは有りそうだ。


俺もエンビーも隠蔽を使っているので 鑑定持ちにもステータスを見られたりはしないだろうが 俺たちの方を見ている事には違いない。


俺:「凄い豪剣をお持ちですね?」


ドミトリー:「イエイエ、あなたの鎧には負けますよ。」


俺:「大したものではないですよ。」


ドミトリー:「ここの領主の御子息様ですか?」

普通俺の歳だと領主の息子と思うよね。


俺:「イエ、ここの領主本人です。アハハハハ!」


ドミトリー:「これは失礼いたしました。とてもお若く見えましたので。」


俺:「13歳です。」 

   

ドミトリー:「エ!13歳の領主様ですか? 、、、、、そうですか、、、早くにお父様をおなくしになったのですね。」


俺:「アハハハハ! 生きてます。生きてます。オヤジは生きてますよ。」


ドミトリーはよくわからないという顔をしてあまり深く考えない事にしたようだ。

ドミトリー:「これは失礼を、早とちりをしたようです。」


俺:「私はアグル男爵と言います。お見知りおきを。」


ドミトリー:「ドミトリーと申す。男爵様は13歳なのですね。お若いので驚きました。なんでもゴーレムマスターと呼ばれるお方がここをお守りになっているとか?良い部下をお持ちなのですね。」


俺:「良い部下ね、、、、そう思うでしょうね。誰でも。」


ドミトリー:「戦力としてはこの上ないでしょうね。何か性格に問題でも?」


俺:「イエ、  部下ではなく私がどうもそうよばらてるようです。」

ドミトリーの表情が一瞬固まった。


ドミトリー:「帝国軍を追い返した巨大なゴーレムを使ったいるのがあなただというのですか?」


俺:「そうです。あれは俺が使っているゴーレムですよ。」


突然笑い出すドミトリー。

ドミトリー:「わははははは!信じられないがまさかこんなに簡単にゴーレムマスターに会うことができるとはな。悪いがここで死んでもらおうか!キサマを殺せばあのゴーレムは使えなくなるという事だな!改めて名乗らせてもらおう、俺は帝国四天王が1人ドミトリー、貴様を討つために単騎で乗り込んできたものよ。」


俺:「やはり帝国の刺客だったんですか。あまりに強そうな人がやってきたのでもしやとは思って会いにきたんですよ。ここでやりあうのは住民に危害が及ぶといけません。場所を変えましょうか。」


ドミトリー:「逃げようとはしないのか?」


俺:「貴方から逃げようとすれば俺の護衛がたくさん死ぬ上に逃げきれない。 結局やり合わなくてはならないことは動かないことだと思いますよ。」


ドミトリー:「だがゴーレムを出されると面倒だ。ここで肩をつけさせてもらうぜ!」


俺:「なら、ゴーレムは出しませんよ。追いかけてくれば相手はしてあげますよ。」

俺は瞬時に空絵と舞い上がった。


エンビー:「早く追いかけなさいよ。彼が降りたところが決闘の場所になるから。」


ドミトリー:「なんだって!彼は俺と戦うと?」


エンビー:「そう言ってたでしょう。嘘は言わないと思うわよ。」


ドミトリーは俺の後を追って走り出した。

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