176 山籠り2

ベースの小屋から、索敵でアポンとアゴンを探す。


いたいた、だいぶ東に進んでいる。


俺とエンビーは空を飛んでアポン達の所に移動する。


俺「おーい、そろそろ飯にしようぜ!」


アポンとアゴンの所に降りたった。


アポン: 「エレクトリックヌーを焼いて食べようか?」


俺: 「良いね、ところでポシェットはまだ余裕があるかい?」


アゴン: 「ここいらの魔獣はでかいからなあ、収納出来る様に入れ替えといてくれ」


俺はポシェットから狩ったと思われる魔獣を俺のストレージに移して、


アゴン達がこれから狩るであろう魔獣の収納スペースを確保した。


まだ半分ほどしか入って居なかったが、


出来る時に移しておいた方がいいと思ったからだ。


アポン: 「午後は俺が山のほうに行く番かい?」


肉を焼き出したアポンとアゴン。


俺: 「エンビー、それで良いかい。」


エンビー: 「良いわよ。アゴン、私遠距離戦闘だけね。守りは任せるわよ。」


アゴン: 「わかった。回復は、頼んだぞ。」


頷くエンビー。


俺は肉を食べながら:「アポン、エンビーは空を飛ぶために、


          ホールドとムーブの練習を始めたんだけど、


          君もやるかい?」


アポン: 「俺も飛べる様になるかな?」


期待と不安の入り混じった表情でアポンが聞き返す。


俺: 「ホールドができればその強化版のムーブができる様になるだろう〜。


   ムーブで自分を動かすのがフライの原理だからまずホールドからな。


   しつこくやってればその内できるようになるよ。」


アポン: 「しつこくしつこくね〜」


俺: 「ファイヤーを飛ばすファイヤーボールの練習も影響あると思うよ。


   あれも出した火の玉を動かしてるんだからね。」


アポン: 「ファイヤーボールね。 僕ファイヤーボールからにするよ。」


俺はアゴンとアポンに魔力注入で、魔力の回復をおこなった。  


俺: 「さてと、午後の部はじめようか?」


アゴン: 「良し、始めようぜ。」


俺とアポンはドアをつかってさっきの所に移動した。


下ではアゴンとエンビーが狩りをしながら経験を積む。


俺: 「アポン、ホールドとファイヤーボールの練習をしていてくれ。


   俺は飛行訓練をして来る。適当に戻って君に魔力注入するから。」


俺は空に飛び上がった。


俺は飛ぶ、速く、速く、もっと速く、ワイバーンの群れに空中戦を挑み、


剣だけでも切り倒せるように、スピードでワイバーンを圧倒できるように。


ヒットアンドアウェイ、高速飛行でワイバーンを置き去りにする。


数の不利は、スピードが帳消しにしてくれる。


攻撃時には1対1なのだから。


空中戦とはこういうものか!零戦がF−11に勝てないように


ワイバーンの攻撃は俺には当たらない。万が一当たってもシールドを破れない。


1時間ほど飛び回り、アポンの魔力注入に降り立つ。


アポンも俺を待っていたようだ。


魔力切れではなく、ホールドもファイヤーボールもできずに困り果てていたのだ。


アポンは剣撃は飛ばせるがそれ以外の魔法で飛ばせるものはない。


だからホールドヤムーブの経験値がまるでないのだろう。


その点エンビーは魔法攻撃で氷の槍を飛ばしている。


ムーブを使っているのだ。


アポンが直ぐにできないのは当たり前だ。


はっきり言って俺でも新系統の魔法ができるようになるのは


数ヶ月の繰り返しが必要なのだから。


アポン: 「全然できないんだ、アグル、手本を見せてくれよ。」


俺はアポンに手本を見せる。: 「ホールド、ムーブ。」


石を掴んで浮かせてみせる。


俺: 「どうだ、参考になったか?」


俺はファイヤーボールはやった事がないが、炎を出してそれをムーブで飛ばすだけだ。


俺: 「ファイヤーボール」


俺のファイヤーボールはちゃんと発動した。飛んで行く間に交わされる事を考えれば、


ただのファイヤーの方が実践的だ。


俺はアポンの魔力注入をしてやって、また空に上がった。


アポン頑張れよ、続けていればそのうちできるさ。

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