64 侯爵とドラスとギルド


賢者の石が成長したのを受けて

久しぶりにみんなの鑑定をして見る俺。


アグル

人族 12歳  レベル7 (賢者) 367/182+185

 HP. 182/182 MP 2765/185+2580

賢者の石レベル8 2580/2580

賢者の石スキル   解析  ピクチャーメモリー2/3 索敵2/3 鑑定1/3 隠密1/3 魔力吸収1/3

魔法        探索 ヒール、エクヒール サンダー  ファイヤー

          身体強化3/3 ストレージ ウオーター ライト         ウインド  解錠  シールド2/3

          ムーブ ストーン モデリング ストーンバレット 

          

称号        異世界転生者



アゴンを鑑定してみる。

 

 人族   12歳 (勇者) レベル6 289(218+71)

 HP 327/218+109 MP 71

 勇者の証 レベル2 HP50%アップ

 魔法  身体強化3/3



アポンは、


 人族   12歳 (賢者) レベル6 281(173+108)

 HP 173 MP 148/108+40

賢者の石レベル2   40/40

 魔石スキル   解析  索敵1/3

 魔法    ヒール  ライト  身体強化3/3 ファイヤー



タックドラスは、


隠蔽の効果により不明



魔法で隠してるのか、さすがSランク




ゴランさんは、見えないだろうな、ランク的に……


 あ、見えた。


 人族 46歳 (勇者) レベル7 580(472+108)

 HP 1416/472 +944 MP 108/108

勇者の証 レベル4 HP200%アップ

 魔法  身体強化3/3 身体超強化3/3 身体超超強化2/3

     物理攻撃耐性3/3 魔法攻撃耐性3/3

     カウンターアタック2/3 バーサーク1/3


(レベル7で一緒なんだ〜。エ!  HP 1416 せせせ 千〜!

勇者の証がレベル4! 200%アップ! 3回死にかけたの〜!

知らない魔法もいっぱいだ。この人凄いんだ〜。

タックドラスさんとパーティー組んでただけのことはあるのね〜。

レベルと強さって、あまり関係ないんだな〜。

俺たちって、まだまだよわっちなんだな。頑張らなくちゃ。)



俺が図書館にかよっている間にアゴンとアポンは、街を十分見て回ったようだ。

アポンが訳の分からないガラクタを見せて自慢する。

なになに、ドラゴンのひげ……に似せてあるつくりもの?に……偽物ばかりだった。

(俺が横にいれば、鑑定してあげたのに。無駄な金使ったな……もちつけないもの持つとこれだ。猫に小判ならぬな、アポンに金貨だよ。)


そこに行くとアゴンは無駄遣いしなかったらしい。

「俺は、物欲はないからな!フ!」

「本当かよ?」



俺たちは、ゴランさんに頼んで、

物理攻撃耐性と魔法攻撃耐性とカウンターアタックを教えてもらった。

バーサークは使うと正気を失って危ないからダメと言われた。


そろそろゴーモリンに帰ろうと話していると、侯爵からまた城に来て欲しいとの連絡があった。

翌日迎えの馬車が来て、城に出向くと侯爵が謁見の間の椅子に座って待っていた。

むずかしい顔をしてジークバーン侯爵が言った。

「タックドラス、たびたびすまんな……困ったことになった」


「いかがいたしましたか?」タックドラスが聞いた。


「本当に困ったことになった」


「実はの、これはそちにしか解決できぬのじゃ」


「…………」とタックドラス。


「困ったことになった」侯爵がまた繰り返す。


「いかがいたしましたか?」とタックドラス。


「ドラゴンかもしれん」侯爵がやっと本題を話し出した。


「…………」タックドラスは侯爵が話すのを待つ。


「メタルトレ鉱山にな……出たそうじゃ」と侯爵。


「…………」タックドラスは黙っている。


「坑道の中におるそうじゃ、大きな声が鳴り響いて、坑夫が怖がって採掘ができんそうじゃ」


「…………」


「ドラゴンに太刀打ちできるのはそち達しかおるまい」


「いえ、私はもうそこまでの力はございません。一度は引退した身でござります」とタックドラス。


「困ったことよ」


「…………」


「どうすれば良いのかのう?そちら以外で、ドラゴンの相手ができるもの……」


「…………」


「我が領内で、そのようなものを知っておるか?タックドラス」


「いえ……」


「ギルドに依頼しても……死者が増えるだけじゃろうのう」


「わかりました。私がこれはというものを集めてみましょう。私とゴラン、そのほかに数名。戦力が整わなかった時は、おあきらめください」


「そうか、そちを呼んだ甲斐があった。よろしく頼んだぞ」


「ははあ」

タックドラスはとうとう無理を押し付けられてしまったらしい。


帰りの馬車の中で、「はあ〜〜」大きなため息をつくタックドラス。


「参ったな〜、この歳になってドラゴンの相手とはな!」とゴラン。


「坑道の中ということは、アースドラゴンかなぁ」とタックドラス。


「たぶんな」とゴラン。


「命懸けだぞ、これは」タックドラスが眉根を寄せた。


「付き合ってくれるかな、奴ら」ゴランは下顎に手を当てながら言った。


[とりあえず話して見るか」タックドラスが言った。


「だな〜」とゴラン。


(この人たちが命懸け?どんだけ強いんだろう?アースドラゴン。)


「オグレイヌはソルトビルにいるんだったな。あいつはどこにいるんだ?」とタックドラス。


「あいつか?あいつもソルトビルにいたぞ」とゴラン。


「そうか、もう一人使える奴が欲しいな。ギルドでもあたって見るか?」タックドラスが言った。


「明日、ギルド行って見るか。」とゴラン。


「フー、使えそうなやついればいいな〜」タックドラスが諦め顔で言った。


「まったくだ」とゴラン。


翌日俺たちはアラストル冒険者ギルドに足を運んだ。

タックドラスは、「ギルド長を呼んでくれ」と受付嬢に頼んだ。

奥からギルド長が出てきて、俺達は奥の部屋に案内された。


「ドラス、ゴラン、久しぶりだな、何か困ったことができたのか。」


「ハウゼン、侯爵に無茶振りされてな、ドラゴンの相手をせにゃならん」タックドラスが答えた。


「ドラゴンの相手ができる奴を探しにきたのか?」とハウゼン。


「飲み込みが早くてたすかるよ」ゴランが言った。

ギルド長のハウゼンとは旧知の中らしい。


「あのふたりは?」ハウゼンが言った。


「ソルトビルにいるから途中で誘うつもりだ」とタックドラス。


「他にも戦力が欲しいんだ。相手はアースドラゴンみたいでな」とゴラン。


「アースドラゴン!攻撃力が無いとダメージ通らんな……」ハウゼンが眉根を寄せた。


「いないかい?」ドラスが聞いた。


「いるにはいるが、うちのエース級の………」とハウゼン。


「性格悪いのか?」タックドラスが聞いた。


「まあ、どうしても天狗になるからなあ」とハウゼン。


「仕方がない、おだてて連れて行こう」とタックドラス。


「一人は、炎の魔剣のカルバート」ハウゼンが言った。


「炎の魔剣〜」3人の声が揃う。そしてアポンを見つめる。


「もう一人が、氷雪剣のデクスガン」とハウゼン。


「氷雪剣〜」また3人の声が揃う。そしてアゴンの顔を見つめる。


「いちいちうるさいぞ、お前たち」とゴラン。


「そいつらと話がしたい」タックドラスがハウゼンに言った。


「明日またきてくれ」とハウゼン。


「わかった」とタックドラスが答えた。

俺たちはギルドを後にした。

その後アゴンとアポンは訓練にとても熱が入っていた。ライバル意識ありありだな〜。


翌日ギルドで面接、最初にやってきたのが(炎の魔剣の)カルバート。

赤眼、赤毛のホソマッチョ、20歳、最近Aランクにランクアップしたばかりだ。

俺が鑑定すると


 人族 20歳(勇者) レベル6 298/225+73

 HP 225/225 MP 73/73

 勇者の証  レベル1

 魔法    身体強化3/3


(あれあれ、まだレベル6だよこの人

これでAランクなら、アゴンでもAランクだわ。)


ハウゼンが中にはいって紹介する。

「Aランク冒険者のカルバート20歳、うちのギルドの若きエースだ」


「よろしくっす。炎の魔剣のカルバートっす」

(二つ名自分で言ってるし〜)


「Sランク冒険者のタックドラスとゴランだ。

侯爵に頼まれてドラゴン狩りに行くそうだ。

狩りのメンバーを探してる」とハウゼン。


「よろしく」とタックドラス、ゴランが言った。


「ドラゴン狩りに行くので俺を誘ってるってことすか?」とカルバート。


「ハウゼンに君を推薦された。どうだい、やる気はあるかい?」タックドラスが聞いた。


「やってもいいすけど、いくらもらえるっすか?」とカルバート。


「報酬は、言われてないんだよ、まだ」タックドラスが言った。


「おっさん、アホっすか?冒険者はただで働かないすよ」とカルバート。


「そうだよな」とタックドラス。


「それに、後ろの子供はなんなんすか?連れいくんすか?

かばいながらドラゴンの相手できね〜す。」カルバートが偉そうに言う。


「そうか」とタックドラス。


タックドラスは目でハウゼンに合図した。

(コイツ、イラネー)


「悪かったなカルバート、タダ働きは無理だったな」とハウゼン。


「そうっすねー。じゃあ、もういいっすね。失礼するっす」カルバートは出て行った。


「フへー、あれがエースか……あれならアゴンのが強いぞ」とタックドラスが言った。


「エ、そう!」とアゴン。アゴンが嬉しそうだ。


ハウゼンがアゴンを見て言った。「フーン、確かにそうかもな」



次に来たのが、氷雪剣のデクスガン。

鑑定するとさっきのやつとそう変わらなかった。


少し話してドラスが目でハウゼンに合図。(コイツもイラネー)

無難に断った。


「すまんな、ドラス。Sランクはいないんだ。あれでダメならうちにはいないぞ」ハウゼンがすまなそうに言った。


「わかった、無理させてすまんな」タックドラスが言った。


俺たちはソルトビルで仲間を探すことにした。

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