エンドロール
長らくレティシアとその仲間たちの物語にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
本話では〝エンドロール〟と題して、各登場人物のその後の足取りを簡単に紹介いたします。概ね物語で中心的な役割を果たした人物から順に紹介していきますので、「そろそろいいかな」と思ったところで打ち切っていただいて構いません。
※主要人物のその後については、
本話の末尾にも少し文章がありますので、最後までスクロールしてお読みいただけると幸いです。
*
【主要キャラクター】
・レティシア=サルトゥール
ノアの家に押し掛け女房のようにして突撃したレティシアは、ノア家に好意的に受け入れられ、やがて正式な家族となった。前後して、ヴィンデの提案で◯◯も挙行した。
人間たちとの争いを経て『サン・ルトゥール』の規則が緩やかになったので、家族で里帰りをすることも珍しくない。
・ノア
もともと旅好きで好奇心
生涯で◯人の伴侶を
・キュルケ
しばらくヴィンデと肉体を分け合っていた彼女だが、それがなくなった後もノアやレティシアと長きに渡って行動を共にした。
ノアとは魔法についてよく議論を交わし、二人で魔法に関する理論を体系化し、本を著すこともあった。ただし、その本はあまりに画期的だったために大きな騒動を招くことになり、最終的にキュルケの〈時空庫〉――異空間への収納魔法――に死蔵されることになった。
後年、ノアとレティシアに〝不死の秘術〟を施すか悩み、葛藤することになる。
・ヴィンデ
しばらくはキュルケの肉体に間借りしていた彼女だが、――――。
〈時空庫〉に保存された彼女の肉体は、――――。
・フェリクス
両親と更に二人の母親のような存在に囲まれ、すくすくと育つ。彼らの
ノアの影響で旅に興味を持ち、成人後は自らの足で全ての大陸を踏破する。
【『サン・ルトゥール』の主な関係者】
・フラヴィ=アンブローズ
『ガスハイム』の町で三年ほど大使の役目を務めた後、故郷に帰ってアロイスと結婚した。
その後は〝アンブローズ〟の名を継ぐべく魔法の修行に励みつつ、『ガスハイム』や『ゼーハム』など人間の町もたびたび訪れた。以降の『ローラシア大陸』南部におけるエルフと人間の親交を語る上で、彼女の果たした功績は大きい。
・シャパル
五年間に及ぶレティシアとの旅の後は、主人であるフラヴィの元でほとんどの時間を過ごした。
相変わらず人間の前で喋ることは稀だったが、人間の画家がフラヴィの姿絵を描く際はほぼ彼がセットで描かれた。フラヴィに憧れを抱いた人間の多くは、このキツネコの立場を心底
・モルガン=サルトゥール
『サン・ルトゥールの里』の里長を退いた後、二年ほど相談役を務めた。その後、集落が周辺国家から『サン・ルトゥール国』として認められると、大統領役を務めることになったアデラールを補佐として助けた。更に三年後、大統領の権限が分割されてからは初代
祭祀長を引退した後、ロドルフやヴィヴィアンと協力して古代の魔法や神秘を探求する研究機関を立ち上げる。その機関には外部協力者としてノアとキュルケも参画した。研究の成果は現役の魔導師たちにも還元され、『サン・ルトゥール国』の魔法技術の向上に大きく貢献することになった。
・シモン
『サン・ルトゥール』の森番として長らく第一線で活動し、後進もよく育てた。
集落から外に出ることはほとんどなく、妻と娘と共に仲
・ユーグ=バラントン
『ガスハイム』の町で大使の任に就く際、レティシアと模擬戦をしてボコボコにされた。それを目の当たりにしたレオンハルトやトビアスなど『ガスハイム』の一部の騎士達から同情を買い、距離が縮まった。
『ガスハイム』の町で六年ほど大使の役目を務めた後、故郷に帰って彼を
・ヴィヴィアン=バラントン
人間たちとの戦争の後、
ユーグに子供が生まれると孫に優しい祖母となったが、「怒らせると一番怖い」という
・ロドルフ=アンブローズ
人間たちとの戦争の後、それまでの頑固な姿勢が嘘のように柔軟で聞き分けがよくなった。ただし、
ノアやキュルケと積極的に交流し、彼らから様々な魔法を伝授される。後にモルガンやヴィヴィアンと協同で設立した研究機関でそれらの魔法の研究を進め、後進の育成に力を注いだ。
・マリー=アンブローズ
ヴィヴィアンと共に人間たちとの争いを引き起こした父ロドルフに代わって、〝アンブローズ〟の名と家督を引き継いだ。同時に、『サン・ルトゥール』の魔導師の代表となった。ロドルフの頃と違って伝統的なエルフの魔法に囚われることなく、ノアやキュルケの魔法技術を積極的に取り入れようとした。一時、古い魔導師たちの反発はあったが、ロドルフなどの協力もあって次第にその方針は受け入れられていく。
・アロイス=アデラール
『ガスハイム』の町で三年ほど大使の役目を務めた後、故郷に帰ってフラヴィと結婚した。アンブローズ家に婿入りするにあたってアデラール家との間で一悶着あったが、最終的には円満に解決した。
フラヴィに振り回されながら共に人間の町を巡り、その人当たりの良い性格でエルフと人間の間の親交に一役買った。
・セルジュ=アデラール
モルガンから『サン・ルトゥールの里』の里長を引き継ぎ、二年ほどその役目を務めた。その間に集落は『ザルツラント辺境領』を含む『ヒルデブラン王国』と、南の『ハルシュタット大公国』と交流を持つことになり、『サン・ルトゥール国』という一つの国家として認められることになった。
それによって対外的には〝大統領〟として各国の元首や
この反省から、彼は三年後に長老会の総責任者と国家の代表者を分けることを決めた。長老会は「元老院」と名を改め、彼が初代の議長を務めた。
【『ザルツラント辺境領』の主な関係者】
・マルティン=ザルツラント
約二ヶ月に及んだ『サン・ルトゥールの里』における一連の
その行動は徐々にエスカレートして一時は問題視されたが、最終的に彼が『サン・ルトゥール』で森番を務めていたテレーズという女性の心を射止めたことで落着した。テレーズとの間に生まれたハーフエルフの子供たちは『サン・ルトゥール国』と『ヒルデブラン王国』の友好の象徴となった。
・ヴィンフリート=ザルツラント
一連の騒動をきっかけに『サン・ルトゥールの里』との友好の足がかりを築いた後、エルフと人間の間の結びつきをより強固なものにするため、精力的に活動を行った。その活動は両種族合同での催し物の企画や、商人たちへの根回しなど多岐に渡った。
一方で、『ヒルデブラン王国』が『サン・ルトゥール』のエルフ達を一方的に戦力として利用しないように、敢えて『ハルシュタット大公国』に情報を流したのも彼の計らいによるものだった。その結果、『サン・ルトゥール』は『ガスハイム』での騒動のわずか二年後に国家として承認されることとなった。
・レオンハルト
一連の騒動の後、エルフとの交流を誰よりも喜んだのが彼だ。『ガスハイム』の町で大使に赴任したユーグやアロイスを積極的に訓練に誘い、特にアロイスを困らせた。
その熱意が高じて『サン・ルトゥール』への派遣を自ら願い出て、現地で二年ほどシモンに師事した。その翌年に『ヒルデブラン王国』の首都で行われた御前試合では、他を圧倒する強さを見せて優勝した。
レティシアとも年に一度以上は仕合っており、魔法抜きならば互角以上に戦えるまでに至った。
ヒルデガルトと結婚し、子をもうけた。
・トビアス
実はレティシアに心
その後、『ガスハイム』の町にある酒場『夜蝶の館』に入り浸るようになり、そこにキャストとして務めることになったエルフの女性(※『サン・ルトゥール』出身ではない)に求婚して結婚に至った。口癖は「エルフはいいぞ」に変わった。
・ヒルデガルト
トビアスに次ぐレオンハルトの首輪役として、彼が『サン・ルトゥール』に派遣される際にも同行した。「レオンハルトに勝てる唯一の女性騎士」として国内外で恐れられた。
レティシアに憧れを抱く彼女は、レオンハルトと彼女の試合を毎度のように観戦し、自らもレティシアに望んで訓練を施してもらった。
レオンハルトと結婚し、子をもうけた。
・ブルーノ
エルフと人間の争いが片付いた後、彼の経営する酒場『夜蝶の館』を訪ねて来たレティシアと五年ぶりに再会を果たし、金貨二十枚の借金(?)を返してもらう。
後に『サン・ルトゥールの里』からエルフの大使が来ると聞いた彼は、噂の恐ろしいエルフとなんとか近づいて商売に結びつけられないかと考えたが、フラヴィに幻覚魔法で怖い思いをさせられ、トラウマとなる。その後、レティシアが『サン・ルトゥール』出身だと知り、恐怖の感情を向けるようになる。
・イザベラ
ブルーノと同じタイミングでレティシアと再会を果たし、五年前に彼女の行き先を騎士たちに明かした件を謝罪した。和解した二人は種族の垣根を越えた良き友人となった。
同郷の『ノイホーフ村』出身の男性と結婚し、長らく『ガスハイム』の町で暮らした。
*
――以上です。
名前が出たキャラはもっといますが、主だったキャラについてはこれで触れることができたかと思います。
もしも、「あのキャラはどうなったの?」など疑問がありましたら、本話の感想コメントなどでお
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// 【後書き】
次話はおまけエピソードの予定です。
本章はそこまでで、それから外伝に入る予定です。
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