大帝国最強の魔導隊
ヒーズ
第1話:大帝国と反大帝国同盟 ~戦争の始まり~
大帝国、世界最大級の軍事国家である。
資源の豊かさ、人口の多さ、大陸の中央に立地しているという立地の良さ
大河が多く、大量輸送も可能であり、山岳が多く防衛もしやすい。
だからこそ・・・・他国からの侵略も多い。
この中央大陸には、6の国がある。
北西に連合国、西に王国、南に帝国、南東に共和国、北東から東にかけて民主平等国
そして中央・・・我らが大帝国である。
我ら大帝国は、これら5つの国と幾度となく戦争を繰り返してきた。
だから・・・戦争には慣れている。
だが、今回の戦争は今までの物と大きく異なる。
反大帝国連合・・・そう、5つの国が同盟を結び、大帝国に宣戦を布告し、侵攻してきたのだ。
仲の悪い5つの国が同盟を結ぶなどと危惧していなかった大帝国の軍部は、慌てふた
めいていた。
しかし、大帝国を治める 大総統 は臨機応変に軍部に指示を出し
既存の要塞に帝国中央部の防衛部隊の半数以上を向かわせた。
山岳と大河を大いに利用した大要塞は、そう簡単に落ちることはないだろう。
そして、帝国中央部に残った工兵部隊を補給ライン整備の為に各街道に向かわせた。
殆どの軍が出払い、大帝国中央部の各軍部重要施設の利用価値がなくなったところで
大総統は、重要書類を総統官邸に厳重な警備の下輸送、危険な行為ではあるが
国家の主要機能を総統官邸に集中させ、首都の警備の中心も各重要機関から
総統官邸の一つに限定された。
先手を打たれた大帝国は、大総統の迅速な対応によって、大きな損害を出すことなく
体制を立て直すことに成功した。
しかし、まだまだ問題は残っている。
5か国連合、如何に強大な軍事国家である大帝国であっても、その戦力差は否めない。
2倍以上の戦力差・・・軍部上層は、日夜頭を抱えて悩んでいた。
本来、大総統は個人の力だけで大きな物事を解決するのは好まないのだが、今回ばかりは
国家の存亡がかかっているため、そうも言ってられない。
軍事に関する決定権を大総統は元帥から自身に移し、早速作戦を将校らに説明する。
お前たちの頭は固すぎる。
この世界には、魔法と言う便利な道具が存在するだろう、剣と剣だけの戦ならば
お前たちの悩みも分かる。
戦争は・・・道具次第で如何様にもなる。
まず、機動性の優れた精鋭魔導師を集めよ、彼らには諜報部隊になってもらい
戦場の全ての情報を集めて、時には敵に欺瞞情報を流してもらう。
お前たち覚えておけ、戦争の勝利に起因するものは、数と運を抜かせば・・・技と情報だ。
特に情報は、時に敵軍全てを無力化できるほどの力がある。
次に、各魔導士師団から精鋭のみを引き抜いて、超精鋭部隊を作れ。
彼らには遊撃を行ってもらう。
我々の基本戦術は、相手を情報戦で無力化し、遊撃部隊でさらに敵に混乱を招く
そこに、要塞防衛軍を持って敵を殲滅、前線を押し上げるのだ。
いいか、この基本戦術を成功させる上で、情報の次に大切な技、これは工兵に当たる。
彼らが、行軍を行いやすくするための道の整備、また要塞の破損部分の修理を行う。
今回の戦争に勝利するためには、諜報部隊、遊撃部隊、工兵の三部隊があって
やっと勝利できる。
そして、出来る限り要塞防衛部隊の死者も出させないことだ。
全面戦争になった以上、我々が全ての国を亡ぼすか、敵がこちらを滅ぼすかでしか
戦争は終わらない。
お前たち将校は、これから休みなく働いてもらうことになるだろう。
しかし、それは皆同じだ。
お前たちは頭が固いが、決して馬鹿で無能なわけではない。
我々は、今まで何度もあった戦争を生き抜いてきた猛者なのだ。
気を引き締めて取り掛かってくれたまえ。
2か月後、各将校たちが寝る間も惜しんで審査した、超精鋭部隊が出来上がっていた。
諜報部隊は隠密系の魔法に優れた、陽炎衆計400名。
彼らは既に各国及び各戦線に送られ、どんなに小さな出来事であっても、事細かい
詳細を軍本部に届けている。
彼らの活躍により、各戦線の敵兵力の二桁に至るまでの正確な情報も得られているのだ。
無論、敵補給路から・・・今後の作戦まで、本来なら得られるはずもない情報も
彼らの活躍によって得られている。
敵の正確な戦力の把握に成功し、戦線への投入戦力を無駄なく計算でき、ある程度の余裕を
各戦線に持たせることに成功した。
更には、工兵たちの活躍により、完璧な補給線が完成した。
無論、敵に利用されることがないように・・・万が一、利用されたとしても
それを逆に利用して罠にはめることが出来るようにしている。
今では、急襲の意味を込めて早急に攻め込んできた、反大帝国同盟の方が補給に大きな
問題を抱えている。
要塞方面の工兵も、攻城兵器による攻撃によって破損した城砦を、連日修復し、見事に
敵の攻城兵器の補給が間に合わなくなるまで耐えきった。
そして最後に・・・遊撃部隊についてだが・・昨日、ようやく各魔導士師団から精鋭を
引き抜き終わった。
構成員は約30名、全員女性だ。
まあ、当然の結果と言えるだろう。
魔法と言うものについて、未だにどの国でもはっきりとしたことは殆ど分かっていない。
しかし、何故か魔力機関を保有している確率が高いのは男性で、女性で魔力機関を持っている
人が中々いないことだけは、世界の共通認識となっている。
だが、女性の魔力機関を持っている者は、皆恐ろしいほどに強力である。
では、この 大帝国王獣魔導精鋭隊 について説明しよう。
まず、隊長であり第一小隊小隊長である、王獣のティナ・ベルフォス中将
大帝国随一の魔力保持者で、底なし魔力とも言われている。
彼女の得意な魔法は、超広範囲殲滅魔法である・・・王獣魔導隊、大帝国最大の
戦力である。
続いて、副隊長であり第二小隊隊長である、毒蛇のシェル・メーメルズ少将
大帝国で最も多くの魔法を扱え、知魔法卿とも言われている。
得意な魔法は、超高度精密魔法である。
ティナほどの火力はないが、対人戦等、普段から気兼ねなく使える、と言った点では
ティナの魔法以上に重宝される。
最後に、参謀であり第三小隊隊長である、魔狼のミラ・エルヴァン少将
大帝国で最も支援魔法に長けた者であり、謀略の天使とも言われている。
通常、支援魔法での味方の魔法威力増加倍率は1,2倍である。
しかし、彼女はなんと・・・1,6倍である。
彼女の支援魔法の恩恵を受けたティナの魔法は、湖を一瞬で吹き飛ばすとも言われている。
頭も良く、後方型の魔導士だが・・・彼女がいるのといないので、実質1,6倍以上の
戦力差が発生すことになる。
その他にも、敵の情報を一瞬にして収集してくる、斥候:影鼠のフィーナ・カルヴォン少佐
重力の魔法を使い、運搬と簡易要塞を一瞬にして築き上げる
超多量輸送及び要塞組み立て兵:要塞亀のアメリ・ヴィーセント大佐
高速移動魔法を活用し各部隊間のやり取りを高速で行えるようにした
高速伝令兵:俊飛鷹のヴィヴィ・ヘルナード等・・・個人で一中隊を補える者から、要塞を作れる者
まで、数多くの精鋭が集められたのが、大帝国王獣魔導精鋭隊である。
そして・・・ここから、大帝国の壮大なる反撃が開始されのだった。
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