愛され暗殺者 ～幸せに至る後日談～

第1話 プロローグ

王国歴※※※※年

剣や魔法や多種多様な人種、生物が存在するこの世界。

王国は瘴気により発生した魔物により滅亡の危機に瀕していた。

大陸の中心から南東に存在するテラシア王国は、北東に位置する魔王領の進行を押さえきれなくなってきていた。

以前までは協会による聖属性魔法により、瘴気を浄化し、押さえ込むことができていたが、段々と強く拡大する瘴気の量に浄化が間に合わず、少しずつ被害が増大していく状況であった。

瘴気は魔王から生まれ魔王を倒さない限り無限に生まれる。

過去の書物にはそう書かれていた。

なぜそのようなことがわかっているのか？

それは遥か昔、人類が同じような状況下において危機に瀕し際、王国の創設者が魔王の討伐に成功し、それを綴っていたからだ。

そして民衆はその偉大なる功績からその者を勇者と呼び、仲間と共に国を創り、長い時を紡いできた。

そして再び人類は、危機を迎えている。

そして、この危機は救われる。

それは新たな勇者が誕生し、旅立ち、約3年の月日を費やし、過酷な旅を乗り越え魔王を討伐するからだ。

この物語はそこから始まる。