悪党
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330665321465387
「両断とはやってくれるねぇ~、流石は筆頭大魔王を殺した化け物だ~ね。
でもあっしの能力
もっともそんな隙を与えるつもりはないけどねぇ」
スピネルはそう言いながらも
一応魔法を
スピネルの本能がここで逃げ出さなければ確実に殺されると全力で
スピネルの悪党としての
「よくさえずる
楽に死ねると思うなよと言いたかったがもういい。貴様の言う通り、使おう」
「使うって例の魔法をかい、だからそんな隙は与えねぇって――グゲェッ」
魔法を使うというデュランの言葉に
このままだと魔法を使われてしまうと判断したスピネルは分体ではなく、魔王として全力で闘う時だけしか使わない本体を出した。
影を何らかの方法で直接破壊でもされない限り再生できるとは言え本体が万が一
「――
「あっしらよりもあんたの方が化け物じみてるねぇ~、でも魔法は使わせないよ~」
しかしデュランは
まるで
棍棒を武器として使っているのは相手を
そうして吹き飛んだ敵を切り札である
デュランに通じるかは分からなかったが、空へ逃れたのならばもしかしたら殺せるかもしれないとスピネルは思った。
「
「影から距離を取ろうったって無駄なんだよねぇ~、
しかし――
「ただ
――剣神と化したデュランを殺すには、いささか速度が足りていなかった。
スピネルは放った武器全てが同時に切断された光景を視界へ入れると魔法を使ったデュランを殺すのは不可能だと理解し、すぐに逃げ出そうとしたが体が動かず。自身の体へ視線を向けたことで本体も両断されていることに気が付いた。
それでも本体が斬られても再生できるためスピネルはなんとか生き残れたと笑みを浮かべ、ルビーの元へ帰ったら何をしようかと考えたところで――
「バカ、な。そんなバカな! ありえな――あぁ」
スピネルはなんとか影を元へ戻そうとしたがどうすることもできずに絶望した。
そしてこの時になってようやくスピネルは今まで殺してきた者達がまだ死にたくないと言っていた気持ちが分かり、今までの自分自身がどれほど
だがどれほど後悔したところで過去には戻れないし、やったことは変えられない。
だったらせめてルビーへの思いをこの世に残して死にたいと思い、ルビーの写真の裏側へメッセージを残した。
――あっしはたくさん人を殺した悪党だけどよ、ルビーお前は違う。だからお願いだ、幸せになってくれ。
スピネルは最期にもっと早くルビーと出会いたかったと、一筋の涙を流しながら死んだ。
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