継承
「ガフッ! ――ゲホッ! ゲホッ!」
「デュラン! 大丈夫ッ!!」
デュランは部屋に入ってきたアリスが魔法で治療を
するとアリスは一瞬
母親であるヴィンデや最愛の家族であるアリスとステラ、息子であるヘルトの奥さんになってくれた
泣きそうな顔でこちらを見ているヘルトの頭をもうあまり力が入らない手でなでた。
「……死ぬのですか父上」
「……あぁ。魔力を周囲から取り込んでも次の瞬間にはごっそりと抜けていきやがる、どうやら今日が
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667985495946
ヘルトは顔を
デュランはヘルトが取り乱していないのを確認すると、寝床の近くに置いておいた
「これは俺が光竜ライオードからもらった砂鉄の
そしてこれからは剣神の名を受け
俺の知る限り最強の剣だ、必ずお前の助けになってくれる」
「父上ッ! これは――――」
「すまないな、これから剣神として生きていくお前へ死ぬ前に何か物を送ろうと考え抜いたのだが。
……俺にはこれくらいしか思いつかなかった」
デュランはヘルトに天晴を手渡すと重荷を背負わせることになるのを承知で剣神の称号を引き継がせた。
なぜならデュラン亡き後の世に平和の象徴となる剣神の名を継ぐものがいなければ未だに
それでも一人の親として子供へ危険な役目を残してしまうことが心配だったため、デュラン以外には決して使われないとごねる天晴を必死に説得して息子であるヘルトは例外で助けてくれることになった。
「世界を
だからこそ、そんなお前だからこそ、
「――はい、分かりました」
デュランはこれほどの大事を任せられたにも拘わらず、凛とした表情でこちらを見ているヘルトの姿にどうしようもなく安心した。
そして周囲から
そのままつながる手を通じて全ての魔力をヘルトへと渡し――力尽きて倒れた。
「父上ッ!!?」
ヘルトの
「後は任せたぞ――二代目剣神ヘルト・ライオット」
そして、ヘルトへ
この世を去った、
永い眠りから覚めたデュランが最初に感じたのは、目に
「――アギャッ!」
突然の出来事に
周囲の確認を
「あらあら起きちゃったのね、デュランちゃん。
もう少しでご飯だから――ちょっとだけ待っててね?」
「あぅっ? ――あぅッ!!?」
右も左も分からない状況に少し恐怖を感じていると何故か涙があふれ出してしまい、なんとか涙を止められないかと
デュランは聞き覚えのない声の主が親し気な口調で話し掛けてきたことを不思議に思い、質問をしようと口を開いたが
それが引き金となって無意識に目を
「ご飯の時間よ、私のデュランちゃん」
「……ぁう」
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――どうやら俺は赤ん坊に生まれ変わったようだ。
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剣神デュラン・ライオットが死んでから数日後、ヴィンデはデュランの墓の前で
「……デュランの墓へ何をしにきたのよ、このクズ。答えによってはその頭を
「魂のない
――まあ確かにその後でデュラン殿の肉体を
ヴィンデは
――バンッ、バンッ、バンッ、バンッ、バンッ
しかし穴だらけにしてやったクラウンの体は
そのまま21240432030169934504の
「まったくヴィンデ殿はしつこいでござるなw、そんなんだから好きな男に振り向いてもらえないんでござるよww」
「……どうせ、デュランはもう転生させてるんでしょ。
なのに遺体も持って行くなんてろくでもないことに使うつもりなのは分かってる! そんなの絶対に許さない!!」
「――
クラウンはそんなヴィンデの言葉に腹を抱えて笑った後、いつものふざけた態度を止めて
「まるで我が輩を止められるかのようなことを言うじゃないか、
「――そ、それは」
「それと何か勘違いしているようだが、お前が我が輩のゲームに介入できるのはあくまでも主人公であるデュランの母親としてだけだ。
21240432030169934504としての情報を使うことは許可していない、
クラウンはそうヴィンデを
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330667987422890
ヴィンデはクラウンが本気で自身を消すつもりだと理解すると、悔しさで顔を歪めながらその場を無言で立ち去った。
「次のゲームできっと
ヴィンデが立ち去ったのを確認すると、クラウンはデュランの遺体を抱きしめてその
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