対談
目を覚ましたデュランが感じたのは全身を炎で焼かれ続けているかのような想像を
それは体や
だが下手をすれば死にかねなかったことを思えばただの激痛で
「――デュラン大丈夫ッ!!
「……アリスは、大丈夫、か」
「えぇ、無事よ! だから
その言葉を
落とした器を拾おうか悩んだが今のまま持とうとすると
せめてヴィンデへ一言告げてから寝ようと思ったが痛みで気絶してしまい、次に目を覚ました時。とっぷりと日が暮れていた。
「ヴィンデ、アリスはどこにいる?」
「……本当に変わったわね、デュラン。案内するからついてきて」
デュランは痛みがマシになっていたのでアリスの所へ行こうと思い立ち、ヴィンデへどこにいるのか
案内された部屋は新しくとった部屋だったようで番号が知っている物ではなかった。――元々アリスとは同じベッドで寝ていたのだから当たり前の話だが。
「
アリスが
「よかった、もう大丈夫みたいだな――ッ!」
そうして安心していると心臓付近で
二秒程度でこの
「――デュラン! 分かっているの!! 貴方の
「……分かってるさ」
そんな会話をしているとアリスが起きてしまたので思わず運が悪いとぼやいてしまったが、アリスに
心臓が落ち着くまで空き地で休んでいるとアリスの声が聞こえてきたため、
デュランのことを元気づけようとするアリスの姿に別の物が
「もう朝か。そろそろ宿に帰るぞアリス、アリス? ……幸せそうな顔で気絶しているな。
このまま寝かしておこう、天晴! こっちに来い!!」
「ひぅっ!?」
デュランはそんなアリスの姿を誰にも見られたくなかったのでこのまま空き地へいることにし、体が冷えないよう
「ご、ごごご、ご主人様。私のこと、いつから気が付いてた、ですか?」
「最初からだ。アリスが最優先だったから指摘しなかっただけだ、素振りをするから刀になれ」
最初に目を覚ました時から天晴が護衛していたのは気が付いていたがアリスの無事を確認するのが先決だったため、指摘しなかっただけだと伝えてから素振りがしたいと言うと。
天晴は急いで刀になったので、そのままアリスの寝顔を見ながら素振りを始めた。
「――ッ!」
しばらくそうして素振りしていると背後に突然見知らぬ気配が出現したので、天晴でその気配を斬ろうとしたのだが。受け止められてしまった――
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330664561488537
「――病み上がりでこの反応速度は素晴らしいな、だが突然背後に現れたからと言っても斬りかかるのはやりすぎでは無いか? もしも一般人だったらどうするのだ?」
「……一般人は突然背後に現れねぇだろ、だからお前は斬っても問題ない」
「ハハハッ、確かに!」
そう言いながらも目の前の男を斬ろうと力を込め続けても天晴はまったく動かなかったので蹴りで
「お前、どんな能力を使ってやがる。光属性がまったく効かないなんて、今までなかったぞ」
「何、私の部下の能力である
「
デュランはそう言いながらもこのまま闘えば敗北するしかないと悟って冷や汗を流していた。
いつもならば魔法を使えるから勝ち目もあったかもしれないが、今魔法を使うのは文字通りの意味で自殺行為だった。
それでもアリスを危険にさらすよりはいいと一か八か魔法を使おうか悩んでいると、男は闘う意思はないと言うかのように手の平をこちらへ向けた。
「おっと、そんなに覚悟を決めた顔をするな。
「……信じられると思うか? お前、魔物を生み出している
デュランがそう言って
「そこまで分かっているのならば話は早い、だったら今のお前を殺すのに
「……プライド王国の時みたいにこの国ごと吹き飛ばすと言いたいのか? だがあの蛇の魔王、いや大魔王はもう俺が殺している。同じことができるのか?」
「逆に
黒神はそう言いながら蛇の大魔王と同じようにデュランの頭上へ小石を出現させて見せた。
集中していたため。この小石は転移などで空間を
分かったからと言ってそう簡単に対処できる能力ではないと、デュランは顔をしかめながら小石を拳で
「なるほどな、よく分かった。それでどんな話をするんだ、黒神」
「そうだな、では今までのことは全て水に流して手を組まないか?」
「寝言は寝てから言え」
デュランはそう言い返しながらも万が一にもアリスへ手を出させないよう集中していたが先程言った通り、今回は話をしに来ただけなようでただ肩をすくめるだけだった。
そして「これは手
https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16817330665993022488
「今から三日後にこのグリード王国へ
「……そんなことを教えて俺達にどうして欲しいんだ黒神、それと前の
「あぁ、敬意を込めてそう呼ぶよう私が魔王達に通達した。
それとこの話を伝えた目的だったら
デュランは黒神の話した内容が予想外の物だったので思わず
何らかの装置を取り出し、スイッチを押して空中へと映像を投影した。
『よし、分かった。
ヴィンデ、起源統一教団をぶっ潰すぞ!! 最終的な目的地はアイディール神国だ!!』
『……それが出来たら苦労はないって言いたいけど、デュランなら出来ちゃいそうよね。
仕方ないわね、私も付き合うわよ。いくらデュランでもアイディール神国を一人で相手するのはきついでしょうから』
『ちょ、ちょっと待ってください!? そんな簡単に決めていいんですか!! 相手は国を消せる兵器を持っている超大国なんですよ!!!
デュランがいくら強くても危険なんですからもっとしっかり考えてください!!?』
『よく考えたぞ、考えた上で潰すって言ってるんだ。アリスの夢は夫である俺の夢でもあるからな』
『じゃあもう一度よく考えてください! 彼らは多種族を助けたという理由で人族の国であるウィンクルム連邦国さえも消したのですよ!!
デュランが人族でも彼らは容赦なんかしませんよッ!?』
『知ってるよ、前にヴィンデと一緒にいるからって理由で教団の連中に襲われたことがあるからな。まぁ、うるさいから斬ったが』
『えぇっ! 教団員を斬ったアァッ!?』
『なっ、何を』
『アリス、分かったか? 俺はもう教団に喧嘩けんかを売ってるんだから今更過ぎるんだよ、そんな心配。
それと一回しか言わねぇからな、今からいう言葉をよく覚えておけよ』
『――俺の名前はデュラン・ライオット! 剣神を超えて世界一の剣士になる男だ!! だから!!! だから――妻の願いを叶えるなんて朝飯前だ。
遠慮なんかすんな、お前は俺の妻なんだろ?』
そしてその映像の内容がかつてエルフ族の里を出た直後、アリスとデュランが約束をするまでの会話だったことにデュランは目を見開きながら固まったが。
その頃から何らかの手段を使ってこちらの情報を得ていたのだと理解すると同時、この前斬り捨てた影を支配する能力を持った吸血鬼の男の気配に襲撃されるまで気がつけなかったことを思い出し。コイツだろうと思ったが、黒神へ一応確認することにした。
「……俺が斬ったあの蝙蝠の能力か、これは」
「その通りだ、そして私の最終的な目的も起源統一教団を潰すことでね。ここは一つ情報を与えてみようと思ったのだ。
仮に起源統一教団を潰せず、戦争も止められなかったとしても魔物にできる死体を大量に手に入れられるのだ。利用しない手はなかろう」
「クソ野郎めッ! 死にやがれ!!」
自身の予想通りだったことに舌打ちしながらもデュランは黒神へ中指を立てて
そうして宿に戻ろうとするデュランへ手を振りながら黒神は声をかけてきた。
「それでは楽しみにしている、剣神」
「クソくらえだ! 必ず殺してやるから覚悟しとけ、黒神」
最後にそんな会話を交わした両者は空き地を立ち去り、その場には布団だけが残るのだった。
そしてその二日後。体の回復とアリスの武器である棒の鍛錬が終わったデュラン達はアルムへお礼をしてからグリード王国を目指して旅立ち、様々なことがあったベルメーアを
デュランが荷車を持ち上げてからすさまじい速度で走り出したので、荷台のアリス達は恐怖のあまり悲鳴を上げることになるのでした。チャンチャン♪
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