暴虐の龍は鮮血に染むる

春yama

転生 そして 誕生

プロローグ

最初に感じたのは日の暖かさ。


森の木々の隙間から溢れる日差しが心地いい。



(、、、森?)



確か俺は電車に撥ねられて、そこから記憶がない。

もしかして俺は死んで天国にいるのか?

それとも胡蝶の夢?



まだぼんやりしている眼で周囲を見渡してみた。

刹那、俺は死を感じた。


そこには龍がいた。

周囲の木々が小さく見えてしまうほどの龍が。


現代社会において野生の勘なんてものはないかもしれないがこの時の俺は確信していた。


(死ぬな、俺)


せめて、あの漫画の最終巻、読みたかったなぁ、。


そんなくだらないことを考えながら自分に訪れるであろう死を待つ。


、が一向に食べられない、


むしろ愛しむように舌でチロチロと俺を舐めている。


その時、俺は理解した。


俺は人間ではなくなっていたのだと。


なぜかって?


その龍の眼に映っているのは人間の俺ではなく、

目の前にいる生物と同じ黒色の鱗に覆われた蛇なのだから。

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