第53話 仮想な通貨で資産が増えるよ!

2008年10月末、謎の匿名の人物がインターネット上に仮想通貨の論文を投稿。2009年1月に、仮想通貨の最初のブロックが生成された。


その【謎の匿名の人物】の身元は2023年に至るまで判明しておらず、性別や国籍だけでなく、特定の人物の名前なのか、団体なのかさえ不明で謎に包まれており、その正体をめぐって様々な憶測が流れている。


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2010年5月22日。面白いニュースがアメリカで生まれた。


仮想通貨の開発者がピザ屋からピザ2枚を注文し、別の開発者の家に届け、1万の仮想通貨コインと交換。世界で初めて、仮想通貨を利用した商取引が成立した瞬間となった。当時この仮想通貨の価値は1コイン=約0.2円だった。

2023年9月末の価値に換算すると(1コイン=410万円)、このピザは1枚約205億円ということになる。


2010年7月には世界初の仮想通貨取引所がサービスを開始し、初期の仮想通貨の価格は1コイン=約7円まで高騰した。


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以上が、簡単な仮想通貨の歴史となる。




俺はもちろん、2010年7月から参入した。


1コイン7円に対して、7000万を投入。



え?もっと買ったほうが良いんじゃないかって?




仮想通貨はトレードや、マイニングと呼ばれる工程を繰り返し、価値を高めていく傾向があった。更に2011年に仮想取引所にハッキングも仕掛けられるため、一定の購買率で購入していく必要があった。


簡単に言えば、俺が買い占めてしまうと価値が変動する機会を失って、俺が観た未来と同じ動きをするのか分からなかった。それとセキュリティ対策で、こうしてる。



取り敢えず。

購入した仮想通貨は、安全なサーバーを通して、一台のまっさらなパソコンに移動。ネットワークから切り離して、保存する形をとった。


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面白いニュースをもう一つ。


ある男は【仮想通貨とは】という簡単な説明動画を作った見返りに、7000コインを貰えたのだ。そこでその男は当時世界最高のセキュリティを誇ったUSBにそのコインデータを入れた。


当時はコインの価値は殆ど無く、パスワードは付箋に書いてオーブンに貼り付けておいた。価値が急激に上がった時、その男は思い出したようにオーブンに向かうが無かった。

思いつく、パスワードを打ち込み続けるが、ついにはセキュリティに引っかかり、開けることが出来なくなった。その被害額は2億7000ユーロ。日本円で当時230億円だったそうな。


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無理やりUSBに移動するよりは、10年持つパソコンの中に入れ続けた方が良いってことだね。LANケーブルは刺さっていない。ただの箱だ。


これから仮想通貨は急上昇していくことになる。

2013年には1コイン=12万。2017年では1コイン=200万。2021年では1コイン=776万に上昇。換金するなら手数料と税金を考えて2021年に換金しようかと考えた。



それでは、その時期まで仮想通貨に手を出さないのか。


それはNOだ。


仮想通貨には主要なコイン以外にもコインはある。

通称【草コイン】と呼ばれるものだ。


この時期は草コインとしての立ち位置だが、2023年にはネット取引には欠かせなくなる仮想通貨も存在する。


2013年にカナダの男性が発行上限のない仮想通貨を作成。

発行上限が無く半減期も無いのが特徴。 (マイニングの報酬が減少しない)


主要なコインと草コインの両方を、俺はマイニングという形でも入手していく。


仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは、取引などのデータをブロックチェーンに保存する作業を行い、その報酬として仮想通貨を得る行為のことだ。


それには演算を行う為のパソコンパーツ、グラフィックボードが必要となり、また多くの電力を必要とした。




準備は簡単だった。


ソーラーパネルの事業に投資し、その会社のパネルを大量に購入。

パソコンパーツとパソコンを大量に用意し、空調の効いたビルを一棟買いする。


災害時用の蓄電池も複数用意し、電力供給を安定させつつ、合計2000台のパソコンでマイニング作業を行った。



…多分、ハッカーなら間違いなく狙ってくる場所になっている。

早い段階で、何度も仮想通貨の移動を行う必要があるなぁ。



出来るなら、北海道など涼しい地域でソーラーと水力発電を混ぜて。

エコ発電と仮想通貨マイニングをする場所を持ちたいな。


2023年までには、揃っている状態にしておきたいものだ。



更に、今後…半導体というパーツが世界的に不足していく。


日本は、半導体製作で昔は世界を席巻していたらしい。

かつての日本は、なぜ半導体の世界的なシェア持てたのか?

それは当時の日本だけが持った「クリーンルーム」があり、人間の目に見えないゴミを商品に混入させない為の設備であった。

その設備は~1990年時の世界には無く、日本企業は良質な半導体製造を実現出来たらしい。


それによりアメリカは恐れ、貿易摩擦が起きた。

半導体産業において深刻で、過去に締結された「日米半導体協定」では、日本市場における外国製半導体の比率を20%にするという購買義務が課されるなど、非常に不平等な協定を結ぶことになった。


そして大手電機の会社が不振により、海外へ半導体事業を売却。

…もったいない。


日本は半導体の素材を作ることに関しては、未だ世界的なシェアを持っている。

海外事業の半導体会社を購入して、作製に関与できれば日本も潤うかも…。


おっと、台湾に半導体メーカーが。なんか…世界一になりそうだなぁ。




でも、高いよなぁ。


あれ、手元に価値が高くなりそうな仮想通貨があるな。

あれれー?おかしいぞ。



コンコン…。ガチャ…

「会長ー。経理でわからない所があるんですが…」




「…ぐふふふふふふ。」


「…なんか、イタズラ企んでる小学生みたい…。」

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