第39話 真田、家を建てるってよ
大学2年になると、選択科目が増えるのだ。
「んんー。経営理論も学びたいし…集客の原則も面白そうな…。んん~。でも今後の時代で集客の理論は変わってくるしなぁ。」
◯〇大学には純粋なpc技術や知識を学ぶ以外に経営・経済についての学問の講義も非常に豊富であった。
次代を見据えた会社や法人の設立。
これを俺のビジネスの基本としてその基盤づくりに、受講科目を選んでいく。
「んん~。まあ、なんとなくこんな感じかな。」
一応は組み上げることが出来た。
ちなみに玲奈はパソコンのスペシャリストになるような組み上げ方で、講義を選んでいた。「一緒の講義がよかったですー!」と結構泣きつかれたが、仕方ない。
また、本格的に、株での利益をビジネスにも運用していく。
その配分にもおおいに頭を悩ませた。
3億7千万。
それは非常に自由度が高くなる金額。
だが投資している人間達から比べれば、まだまだ少ないとも言えてしまう。
俺の今後のイメージは3分割での運用だ。リスク投資・安全投資・生活資金の3つに分けて運用すれば、もし未来が何処かで変わってしまった時にも安全だろうと思っている。
今回であれば以下のようになる。
まずは1億5000万を、次の高成長株に投資して高倍率で増やしていく。
目標は2020年までに1000億程度の資金増大だ。
次に、7000万を以前のような日本株に投資して配当金を受け取っていく。
7000万を5%で高配当の株に運用し続ければ、年間350万円が働かなくても入ってくる。
これも2014年には一度、大きく価値が落ちるがその後はまた2023年には高い水準で価値を持つので7000万は1億5000万まで価値は出てきそうだ。
残りの1億5000万は生活に使用していく。
家の建築と、家具。そして今後のビジネス費用としていく。
…という訳で。
「…はい。それでは新しい、家を建てようー。さぁ、話し合いましょうかね。皆さん。何か意見はありますか?」
「…テンションが高いですね、幸村くん。」
「…そりゃぁ、そうだよね。家、買っちゃうんだもの」
「…はい。それでは無いということで、宜しいですかね。」
「…ごめんなさい、意見はあります。」
「…ごめんってー。テンション高い幸村さん、珍しくて。」
「それでは、キッチン。」
「あ、あの…アイランドキッチンってやってみたいです。」
「あ、どれどれ…あ、可愛いー。コレ、私も好きー。」
センス良いな。将来流行る設計だ。
「はい、採用。」
「軽ッ!…いいの?幸村さん。」
「…私、希望は言いましたけど…別に安いのでも…」
「今後、そこで料理動画を取ります。だから採用。はい次。」
「は…早い。決定が早すぎる」
「こ、こんなモノなの?家の購入って」
そんな訳あるか。金があるから出来るんじゃい。
「次はお風呂ー。」
「大きいと…一緒に入れますね?」
「絶対、大きいのー。」
「…掃除、大変じゃない?」
「絶対、お風呂は大きいの、です。」
「絶対なのです。」
「…はい。了解。決定ー。」
すいすい決まっていった。
「部屋は…もしも、もしもだが。子供が出来た時の事を考えて…一部屋ずつ余分に作って行こう。」
「…ちょっと待って、幸村くん。」
「うん。…ちょっと待とう。」
「んん?」
俺は必死に紙にメモをとっていたのだが…
その紙をパッと盗られて、玲奈が言う。
「何を…、我々の寝室を分けているんですか?」
「…ホントよね、な~ぜな~ぜ?」
凄い…威圧感だ。そのネタは2023年に流行るはずなのに。
なぜ、こんな反論しにくい場面で言ってくるのだろうか。
「…毎夜、一緒に寝るのは。…こ、困る」
「な・に・が。…困るんですか?」
「ね?…お・し・え・て?」
「一緒だと…我慢、出来なく…なるかも…しれないだろ。」
バァン!!
…ビ、ビクゥゥ!!
玲奈と梨沙は、勢いよくテーブルに紙を叩きつけた。
…怖い。
「あの…玲奈?梨沙?」
「寝室は一緒。…決定です」
「絶対、一緒。」
「…あの、…いやぁ」
「絶対、です。」
「分けたら、駄ぁ目。」
「…あ、はい。…そうですね、…決定ですね。」
他に、洗濯機や冷蔵庫を一つひとつ決めていった。安い一人暮らし用の炊飯器や洗濯機等は限界が有ったようで、買い替えには非常に喜ぶ玲奈がいた。
「…大変だったんですよー。洗濯物も3人分は数回に分けてましたし、ご飯は冷凍分は冷凍分で炊いてましたし…。少しでいいから、もうちょっとだけ…大容量の奴がいいなーって思っていました~。」
よ、良かった。機嫌が治っているみたいだ。
「アニメ見るなら大きなテレビがいいー。」
「あ、それならプロジェクターとかは、どう?大きな状態で見ることが出来るし…白い壁を用意しておけば、わざわざブラインド降ろす必要も無いだろうし。」
(2023年ならシーリングライトにプロジェクターくっついたヤツを買うのになぁ。)
「あ、それが良いかもー。あ、でもテレビはテレビで欲しいかなぁ。」
「ん。OK。他には?」
「んー。パソコン作業が楽に出来る何かがあればなぁ。腰も痛いし…」
「…ゲーミングチェアかぁ。」
「…んん?ゲームはそんなにしないよ?」
「…ああ、そうだね。間違ったかなぁ。座りっぱなしで疲れない椅子が有るといいよね。後はテーブルも用意しよう。玲奈と梨沙、そして俺の3人分用意しようか。」
「お、最高ー。」
どんどんスムーズに進んでいった。
「私、お庭が欲しいですー。実家から種を貰って…育てたいなぁ、なんて。」
「おっけ。」
「あのトマトとか、茄子とか美味しかったねぇ。」
…まだ今生で、免許証を取ってないけど…運転とかもしたいなぁ。
「大学の休みを今後利用して、運転免許を取っていこうと思ってるんだけど…こっち側は駐車場でもいい?」
「え…車、運転なさるんですか?」
「え~。凄い、最高じゃん!」
否定意見はなさそうだ。
「それなら、ここでオッケーと。あ、雪降る地域だから屋根みたいなのも欲しいな。」
「私、ドライブ…してみたいです。」
「わったしも~。」
「そうだね、じゃぁ…取れたら、温泉でも行ってみようか?」
「わぁあ~~~。」
「さいこぉぉぉぉぉお!」
…喜んでくれるこの表情見ると、何でもしてあげたくなる。
何でだろうな、幸せかも。
大まかに決まった。
支払いは7000万円となった。
一介の大学生が、一括で住居を購入する姿は色んな社会人をあたふたさせてしまっていった。…普通はローン審査とか、大変だもんね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます