お題「空を見上げたら」 朧 虚宿様より
このお題を見た時、「こんな偶然もあるんだ!」とちょっと嬉しくもあり懐かしくもあったので先に書きたいと思います。
BUというストーリー制作ゲームの中で私が作ったもののひとつ、それが
「彼は空を見上げたか」でした。
子供の頃から大人しくていじめられがちだった修二。
いつ頃からか彼の内には〝シヴァ〟という別人格が生まれます。
夜な夜な自分の存在意義を探して彷徨う〝シヴァ〟。偶然彼と出会う天才少年。
高校時代からの恋人「
このタイトルはもう一人の主人公、〝シヴァ〟の心情を思ったものです。
「修二」の内でずっと俯いていた〝シヴァ〟。行動力も人心掌握の術も持っていた彼が自分の存在意義という大きな疑問符を抱えたまま、それでも「修二」にとって代わることが出来なかった。〝シヴァ〟の人格を受け容れる仲間たち。その内情を知って手を貸そうとするフリールポライター河本。周囲に「個」として受け容れられた時、〝シヴァ〟は空を見上げたのだろうか。見上げた空は彼にどんなふうに見えていたのだろう、そんな意味を込めたタイトルでした。
子供の頃見上げた空は恐ろしく高く、どこまでも真っ青でした。
手で掴めそうな入道雲、クレヨンで真っ直ぐ引いたような飛行機雲。まるで神様が悪戯に作って人間にその巨大な力を見せつけているような造形。
ただただ感動して、この世界が虚構でないことを祈るばかりでした。
大人になって見上げた空は薄青く、どこかぼんやりしていて覇気がない。
それを気象のせいだ温暖化のせいだと言うようになったら、子供の時に色鮮やかだった夢は少しづつ褪せているんだろうなと思うようになりました。
それでも人類が「空」に願う想いは大きい。
日の出の荘厳さや夕日の美しさを見て何も感じなくなってしまったら、大切な何かを失くしかけているんじゃないかと思うのです。
余談ですが野田秀樹さんの著書に「空、見た子とか」がありましたね。
かなりシュールな野田さんらしい舞台文芸なんですが、興味のある方はどうぞ。
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