25.ソコから先は雰囲気次第!
晴天の月に重なって、ささやかに歌うような、赤い光だった。
最初は一つ、次に月を囲んで輪の形、そして放射状に、と、次第次第に増えていく。昼に夜空の星を広げるように、やがて
ほんの少し、風が乱れて、地面がゆれた。一つだけ白い月に重なっている赤い光が、歌声のオクターブを高らかに上げるように、
「いつから預言者など始めたのですか」
「ちょっと
「いや、違うだろ! これは、さすがに!」
また、地面がゆれた。大きくはないが、遠く、深くから
「……
特性体の
そして月軌道の内側を、
「ぼくたちと同じように、やって見せたってこと……?」
「どんなことも、と言っておいてなんだが……驚いた。やつら、神の力に、
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月の地表から、
「大きくても、中くらいの
『ふふーん! うらやましい? うらやましい?』
「うらやましくなんかないですぅー。個体質量なら、あたしが圧倒的にスマートなんですぅー」
『成功体験の話をしてるんだよ、
「はい、おしまーい! この話、おしまーい!」
言葉を発する
ひとしきり、
「まあ、しょうがないんだけどさ……やっぱり、
『できれば、手っとり早かったんだけどねー』
『でも、それじゃデートが、盛り上がらないでしょ?』
「まーね。デートは結果を急がず、過程を楽しまなくちゃ! ソコから先は雰囲気次第!」
そう、泳いでいた。
尾が連なる
地球へ、
「『ねえ、神さま』」
********************
今度こそ、混乱と恐怖が、全地球規模の
すべてが、少しずつ大きくなっている。近づいている。
人工衛星や光学観測器、軍事レーダーなどのあらゆる測定数値が、常識的ではない現象を科学的に保証した。
多くの
立入禁止指定区域の外側では、生き残った人たちが寄り
夕暮れ時でも、
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