第三話 泣いて歩いて血の味がして
12.神さまはあなたです
二日間を連続した
被災者の避難所となった
臨時休校からゴールデンウィークの連休につながる勢いで、そこから先も一ヶ月ほど、すでにオンライン授業の時間割が配信されている。新型コロナウィルスの感染対策で進んだ土台が、この状況で、また役に立っているらしい。
それまでの日常では信じられないほどの人たちが死んだり、怪我をするのに直面した。両親や、仲のいい友人たちが無事で
「神さまはあなたです」
「やめてください。全部、自分に都合がいいようにしたっぽく聞こえます」
臨時休校中の自宅、平日午前だ。外は明るく晴れている。
両親は、会社も会社だが、たくましく出勤していた。正常化バイアスだとしても、それを含めて理解できた。
「神さまは、
「
全知全能の神さまなら知っているのだろうが、
「では、順を追って説明しますと、まず地球上の
「ごめんなさい。その辺、すっ飛ばしてください」
「……メタルス○イム」
「あ、うん! わかった、あれですね!」
「本来、この宇宙の万物を創造なされた神さまに、
「そんな表現、よく知ってますね。宗教違いとかじゃないんですか?」
「……
「すいません、余計なこと言いました! 本筋に戻ってください!」
「
「つまり、メタルス○イムってことですよね」
「……完全な同義ではありませんが、
「彼ら無機生命体は、有機生命体である皆さまとは、
「ぐんたい…?」
「彼らは個体死と交配による変化の可能性、それがもたらす多様性と環境適応の拡大を
「ええと、つまり?」
「……
「風流ですね」
風流の意味を大して考えず、
「でも、それはそれとして、なんで敵なんですか……? 桜の宇宙モンスターって言われても、じゃあ、宇宙にいるんですよね? なんで地球に?」
「地球のみではありません。全宇宙規模で、彼らは有機生命体の生存圏を侵食、
「
子供の頃は、パニック映画に出てくる程度の単語だった。だが今は、たった数年で全世界を
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