参照プロット(第一話)

シーン01

場所:街中

人物:優、巫女

展開:

葉桜がまぶしい春の終わり、海が見える地方都市、井之森市いのもりし県立井之森第一高等学校けんりつしのもりだいいちこうとうがっこう、一年生の加々実かがみゆうは、学校からの帰り道でゆうを「神さま」と呼ぶ巫女服みこふくの美女に出会う。

台詞:

「あなたは神さまです」

「ええと……お客さま、ってことですか?」

比喩ひゆの表現ではありません。宇宙と生命を創造なされた偉大な存在にして、下僕しもべたるわたくしが、全身全霊をささげる……」

「間に合ってますっ!」


シーン02

場所:街中

人物:優、唯、幹仙、葉奈子

展開:

同じ帰り道で、クラスメイトの浅久間あさくまゆい凡河内おおしこうち幹仙みきひさ御山みやま葉奈子はなことの四人の雰囲気、関係性をコミカルに描写する。

台詞:

「最近の神社って、積極的なんだな……ゆう、高校の合格祈願に、どんだけ奮発ふんぱつしたの」

「いや、そんなわけないって」

下僕しもべとか、全身全霊をささげるとか、なんかエロっぽかったし」

「やめろっての、幹仙みきひさ……!」

「うん、なんかエロっぽかった! すっごい美人さんだったし! どうなってんのよ、もー、加々実かがみくんってばさー!」


「ち、違うって! 知らない人、全然! その、あ、あさ、浅久間あさくまさん……っ!」

ゆいでいいよ」

「え?」

浅久間あさくまって、言いにくいよね。最初の、あ、が変に力入っちゃう感じでさ。今も、どもってたし」

「そういうわけじゃ……」

「じゃあ、ゆいちゃん。よろしくね」

幹仙みきひさ! なんて言うか、その、遠慮しろよ、少しくらい!」

ゆう、めんどくさい」

「あはは! めんどくさーい!」

「俺の名前も、そんな感じだからさ……わかるんだよね」

「あー、凡河内おおしこうちくんは、上も下も難しいよねー」

ゆうには、ボンカワって呼ばれてた」

「中学の最初だけだろ、そんなの」

「おー! いーね、それ! よろしく、凡河内ボンカワくん!」


「ちょ、ちょちょ、ちょっと、ゆい!」

「ちゃんと遠慮したよ、あたし。御山ミャーちゃんは、名前で呼ばせてもらえばいーじゃん。ねえ?」

「ん。幹仙みきひさでも、ボンカワでも」

「あ、あ、あたし、御山みやま、は、はな……っ!」

葉奈子はなこちゃん、だよね。クラス同じで、もう五月で、なんか改まって変な感じだけど……よろしくね」

「どーよ? 気がくでしょ、あたし?」

「ああ、でも迷う! み、幹仙みきひさくん、も鼻血やばいけど、凡河内ボンカワくん、のつきあい長い感じも、なにそれ、うらやましい……っ! ゆいのアホーっ!」

「うんうん。御山ミャーちゃんの、そういう口から全部こぼれるところ、好きだよー」

「すごい……めんどくさいのに、めんどくさくない」

幹仙みきひさ、遠慮しろって」


「あの……ゆう、でお願いします」

「あたしとゆうくんの名前、仮名かなでもアルファベットでも、一字違いだね」

「そう、だね。言われてみれば」

「なんか気持ち悪いよね! あ、ごめん。自分を呼んでるみたいで、ってこと」

「どう返事するのが正解なのかな、それ……?」

加々実かがみくん。ゆいの言うことに、いちいち振り回されてちゃ駄目だよ? まあ、そんなとこにクラッとしちゃう男子、多いんだけど。応援するから、こっち側にはみ出してこないよう、しっかりお願いね! 不可侵条約ふかしんじょうやくで!」

御山みやまさん、本当に全部、口からこぼれてるよ。幹仙みきひさも、ゆ、ゆいちゃんも、すぐ横にいるんだからさ」

「あたし? なんで? あたしは気にしないよー。御山ミャーちゃん、いっつもこうだもん」

「俺のことは、その、気にして欲しいんだけどね」

ゆう、めんどくさい」


シーン03

場所:街中

人物:優たち四人、群集、敵性体

展開:

海から、小さな赤い光が昇る。直後に海水の渦や乱気流を凝集ぎょうしゅうして、鉱物結晶こうぶつけっしょうのような巨大な怪物になる。高波たかなみで海岸線はパニック、怪物の、衝撃波のような攻撃で街の一部も破壊される。逃げる群衆に押されて、ゆうゆいたちとはぐれる。

台詞:

「どうしたの、ゆうくん?」

「あ、うん……今、なんか……」


「ひゃっ! な、なになになに? か、かみなり? 竜巻たつまき? あ、あの、み、幹仙みきひさくん……!」

「そうみたい、だけど……変だな。こんな急に……」


幹仙みきひさ、まずい! ゆいちゃんも御山みやまさんも、急いでどこか……」


シーン04

場所:街中

人物:優、巫女、敵性体

展開:

巫女みこが再登場、ゆうと一緒に神威しんい顕現けんげん駆逐戦闘特化筐体くちくせんとうとっかきょうたいサーガンディオンになる。補助タイトル回収。派手な演出で描写する。

台詞:

「おむかえに上がりました、神さま」

「いや、俺は……」

「あなたは、この惑星わくせいを襲う災厄さいやくから、生命を守護するために降臨こうりんなされた神の現身うつしみです」


「あなたは、その御意志ごいしを持たれております。わたくしにたくされた御力おちから……神威しんいと共に、今、分神ぶんしんたる身をささげます」


「な、なん……なんだ、これ? どうなってんだ……?」

「繰り返しますが、あなたは神さまです。その神威しんい顕現けんげん駆逐戦闘特化筐体くちくせんとうとっかきょうたい、神の現身うつしみたるあなたと分神ぶんしんたるわたくしの合神がっしん……サーガンディオンです」


超機動合神ちょうきどうがっしんサーガンディオン

〜At the day of universe falling down, to far away with you darling〜

(補助タイトル)


シーン05

場所:街中

人物:優、巫女、敵性体

展開:

サーガンディオンの圧倒的強さで怪物を撃退する。ゆう巫女みこのコミカルな会話、戦闘のダイナミックさを対照的に描写する。

台詞:

「はい。ですので、冠詞かんしをつけるなら超機動合神ちょうきどうがっしんサーガンディオン、となります」

「ええ……? なんか急に、アニメみたいなネーミング……」

「神さまの趣味です」

「神さまに、趣味なんてあるんすか」

「それはもう、全知全能ですから。この宇宙に存在する、ありとあらゆる嗜好しこうヘキも、すべて網羅もうらしておられます」

「全知全能って、そういう意味じゃ……うわっ!」


「ちょ、ちょっと待って! ええと、その……巫女みこのお姉さん!」

「神さま。それは先方せんぽうにおっしゃるべきかと」


「どうしろって言うのさ!」

「わたくしもサーガンディオンも、神さま、あなたの御力おちから一柱いっちゅうであり、神威しんい顕現けんげんする媒介ばいかいです。あなたの御意志ごいしを、わたくしたちに……このわたくしに、重ねてください」

「具体的には……?」

「わたくしと一心同体に、身も心もゆだねてください。やわらかく、溶け合うように、さあ」

「ごめんなさい! 俺、もう他に好きな人がいるんです!」

「そんな肉欲混じりの雑念ざつねんは捨ててください」

「男子高校生にはキツい一言ですっ!」


シーン06

場所:ビルの屋上

人物:唯

展開:

街で一番高いビルのてっぺんからサーガンディオンを見るゆい、姿のない声との会話。小悪魔っぽい感じを描写する。

台詞:

『おー! すごい、ホントに出たんだー』

「なに、疑ってたの?」

『まあ……宇宙ができてからこっち、時々そういう形跡が、なくもなかったんだけどさ』

「上等、上等! あたしたちが、それだけ大災害になったってことじゃん! テンション上げていこー!」


「でも、そっか……ゆうくんだったんだ。あー、つらいな、悲しいな! 悲劇のヒロインだなー、あたし!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る