第18話誰でもない仮面
一通り中のものをテーブルの上に置いてみる。
アクトレスからの説明書と仮面、ギャンブラーのメモとコイン、サムライからの説明書と短刀。最初から入ってたであろう、全く分からないUSB3つ。
蓋の上の紙によると、何やら特殊な能力を持っているらしい。適当に一つ持ってみる。
アクトレスから貰った仮面。その説明書は関西弁で綴られていた。
「これを読んでるそこの君!君はきっとこれを読まないで一度仮面を被っただろう!」
被ってないけど?
「君は説明書を読まないでボードゲームをする奴やな!」
読むけど?
「それはそれとして仮面の説明をしなきゃあかんな、ただでさえ小さい紙しかないしな、手短にいくで!」
ここまで紙の4割占めている時点で今更だろう。
「この仮面はつけた人の顔を全くの別人、厳密に言えばこの世に存在しない顔になるんや、すごいやろ!」
目の前にあるのはただの仮面。ハッカーのフリー素材のイラストにありそうな真っ白の仮面。
「んで、気をつけなあかんのが、これを着けれるのは3時間までっちゅうことや。1時間着けてると次第に着けてることを忘れ始め、2時間目には完全に忘れ、3時間目には仮面を外す事が出来なくなるという恐ろしい子やで!」
本当に恐ろしいじゃねえかと思いつつ、隅に置かれた姿見に近寄る。
ちょっとだけなら別に大丈夫っしょ。勢いよく仮面を着け、皮膚が弄られるような痛みが走る。金髪で童顔だった顔は白髪に髭を少し生やした紳士なお爺さまに様変わりした。
「おぉ......ん?」
感嘆を漏らした時、何か違和感を感じた。
「あ、あーあー」
すげえ、声帯まで変わってやがる!その後5分くらい仮面でポーズをとったりして遊びましたとさ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます