初めてのデート! その1

「今日はいい天気ですし、“デート”行きませんか?」


 朝食を食べている途中に、ヒカリちゃんが提案をしてきた。


「デ、デート!?」

「はい、引っ越したので、いろいろと買い足したいものもありますし、よかったらどうですか?」

「う、うん! もちろん!」

「よかった! では準備しましょうね!」


 ヒカリちゃんは手を合わせて、嬉しそうに、にっこりと微笑んだ。


 デートかぁ……。あれ? これって初めてのデートだよね? うっ……そう思うとなんだか緊張してきた……かも。





 顔を洗って、洋服に着替えようと寝室に入る。


「え!?」

「きゃあ!」


 そこにはお着替え中のヒカリちゃんがいた。服を脱いでいる途中で、可愛らしいピンクの下着が見えた。


 そして、下着からはちきれんばかりの胸に、思わず目が行ってしまう。


「あ、ああ、ご、ごめん!」

「い、いえ、こちらこそお見苦しいものをお見せして申し訳ありません!」

「そ、そ、そんなことないよー!」

「あ、ありがとうございますー!?」


 顔が真っ赤になったボクは急いで、寝室から出て行く。


 ふぅと、息を吐く。お互いの着替える場所、決めておかないといけないな……。





「お待たせしました……」


 数分後に着替え終わったヒカリちゃんが出てきた。


 品の良さそうなワンピースを身を包んだ彼女は、すごくお嬢様っぽく見える。実際、お嬢様なのだけど。


「ど、どうでしょうか?」


 モジモジと頬を赤らめて、こちらをうかがう彼女に、思わずボクは本音がもれる。


「すっごく似合ってるよ、ヒカリちゃん……」

「そ、そうです……か? ふふっ、ありがとうございます」


 洋服を着て、朗らかなに微笑む彼女はまるで天使のようだった。


「……ナギサ君が褒めてくれて、とっても嬉しいです」


 そう言って彼女はボクに優しくキスをした。


「んっ……ちゅっ……。えへへ、嬉しすぎてチュウしちゃいました♡」

「ヒ、ヒカリちゃん……」


 か、可愛すぎる……。まだデート始まってないのに、これからどうなっちゃうんだ……。





 仲良く手を繋いでショッピングモールへ。道中、羨ましそうに見てくる男性の視線が突き刺さった。


『な、なんだあの女の子は……』

『レベルが違うぞ……。どっかのモデルか?』

『わぁ、まるでお人形さんみたいね……』

『羨ましい! 妬ましい! ああああああ!』

『あの優男、どうやってあんな上玉捕まえやがったんだ……』

『あら、あのボーヤ、可愛いわね……』


 うん。かつてはボクもカップルを羨ましそうにみてたことがあるから、気持ちは分かるよ……。


 彼女の横顔を改めて見る。きらめく金の髪に、色白で整った小顔。


 非の打ち所がないその顔に、ボクは思わず見惚れていた。


「ふふっ、どうかしましたか?」

「いや、改めてヒカリちゃんは綺麗だな……って」


 思わず本音が漏れ出ると、彼女は顔を真っ赤にする。


「も、もお〜! 人前で何言ってるんですかぁ!///」

「だってほんとなんだもん……」

「ナギサ君のばかぁ……///」





 ショッピングモールに着いて、始めに連れて来られたのは“ランジュリーショップ”だった。要するに女性用の下着屋さんだ。


「はい、最初はここですよ!」

「うん、じゃあボクは外で待ってるね!」


 ボクは外に出て待っていようとしたが、ヒカリちゃんにがっしりと腕を掴まれる。


「全く、何のために一緒にきたと思ってるんですか……」

「いやだああああ! 店員さんに白い目で見られて興奮しちゃうううう!」

「興奮しないでください……。大丈夫ですよ。カップル客なんて普通ですから。ほら、見てください」

「あっ、ほんとだ……」


 辺りには、仲睦なかむつまじそうなカップルが何組かいた。


「そ、それならなんとか……」

「はい、行きますよ♡」



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