はぐれ死神リグレッタ、終の棲家で母になる
内村一樹
第1話 最後の生き残り
私はリグレッタ。15歳。
なんて言ったら、母さんと父さんはきっと笑ってくれる気がする。
『お母さんたちがいるでしょ?』
とクスクス笑う母さんと。
『うら若きって言葉の意味、ちゃんと理解してるのか?』
とからかうように笑う父さん。
1年前まで、この家で一緒に暮らしてたんだよね……。
そう思うと、やっぱりちょっと、
まだ
「ふぁぁ~……二度寝しようかなぁ……」
頭では分かってるんだよ?
分かってるけど、やっぱり
特に私は、
母さんにもいつも言われてたし。
頭の中で言い
『ひでんのしょ』
その『ひでんのしょ』には、母さんや父さんから教わった
ちなみに、今私が目にしたそれは、5冊目だったはず。
自分で作っておいてあれだけど、1冊目なんて、何が書かれてるのか分からなかったからね。
もはや、お
「
「ふぅ……さぁ、そろそろ皆も起きてよね。もしかして、私に全部やらせるつもり? まぁ、サボらせるつもりなんて無いけどさぁ~」
ベッドシーツや毛布は、
床に
これぞ、
『ひでんのしょ』2冊目の5ページ目に書かれてる、
この
「さてと、それじゃあ私は、朝ご飯を作ろうかな」
昨日とれたての
その後は、いつも通り
「もう少し
それと水分も。
最近ホントに
なんてことを考えながら、キッチンに向かった私は、開け放たれた
数日前に
「お、帰って来たんだね。今回は何を集めて来てくれたのかな?」
風に
中から出てきたのは、見たことない
「おぉ~、さすがだね。ありがとう。あとで
またまた
でも、どんなのが育つのかワクワクするよね。
また今度、1
最近、色々とやりたいことが増えすぎて困っちゃうんだよね。
いっそのこと、全部みんなに任せたいところだけど、私がサボってるとみなされたら、みんな言うこと聞いてくれなくなっちゃうからなぁ。
前に
まぁ、私の
お
「そろそろ家の
あれやこれやと
すると
何かが
「……何の音? もしかして、また何か倒したんじゃないよね!?」
少し前に
あれは危なかったなぁ。
って、そんなことを考えてる場合じゃないよ!
急いで家の中に
「何があったの!?」
声を掛けながらキッチンを
赤い
「え? えっと……どういう
つまり、私の問いかけに答える人は誰も居ない。
すぐに
ロープに向かってそう言おうとした私は、ふと思いとどまって口を
良いのかな?
私は、この子に関わっても、良いのかな?
『リグレッタ、良い? 絶対に森の外に出てはダメだからね』
『そうだぞ、森の外に住んでる人たちと関わることもダメだ』
そう言う2人に、私は質問したんだ。
『どうして外に出ちゃダメなの? 関わっちゃダメなの?』
すると2人は、少しだけ悲し気な
『私達、
私の名前はリグレッタ。
人の
森の外の人々は、私達のことを
人の
多分、私はこの
頭では、分かってるんだ。
でも、そうも言ってられない
「っ!? ちょっと!! どうして血が出てるの!?」
彼女を
その様子を見た私は、気が付けば彼女を
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