一日一編集『好きな僕と好きなきみと10月』

朶骸なくす

第1話・恋愛バッドエンド(NL)

 「好き」と言われることはいいことだ。

 幼少期から言われ続ければ肯定感があるだろう

 世界から愛されているすべて

 貴方が私を愛する理由も、すべてそこにある

 でも、どうしてだろう

 不安な時がある。それは捨てられるのではないか、と

「捨てる」なら私がすることなのに

 私は貴方が離れていくことが不安なのだ


 一緒に暮らし始めて、初めて「結婚」という言葉が頭をよぎった

 毎日の暮らしが目新しい訳でもないが

 この人といると自然な自分がでてきて

 恋をしながら不安を感じていた頃は若かったのだと

 やっと気づけた

 今は一緒にテレビを見て

 一緒に買い物をして

 食事をし、寝起きし、同じ洗面台を使い

 同じ冷蔵庫を使う毎日だ

 この自然さを感じて「結婚」という言葉は当たり前だろう

 貴方を愛してる。ずっと愛し続けられる。

 そう思えるようになった


 熟年離婚をした

 こいつの下の世話はしたくない

 子どもの育て方も失敗した

 私たちを見ないと言う

 愛なんてなかったのかもしれない


 今、買ってきた惣菜と節約している米と食べながら

 恋愛や結婚ってなんだったのかと考えさせられる

 この気持ちをどこにやっていいかわからない

 私はなにも知らない

 恋と愛だけで生きていけると思ってた

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