重度のブラコンの妹達の守り(独占)が強すぎて、幼馴染でさえ簡単に俺には近づけない

猫魔怠

重度のブラコンの妹達の守り(独占)が強すぎて、幼馴染でさえ簡単に俺には近づけない

「好きです!付き合って下さい。」


俺の名は才条悠夏。

発音だけでは女に思えるが男だ。

そして、俺は今1人の女生徒に告白されている。

今月3回目の告白である。


「悪いけど、断らせてもらう。今は誰とも付き合う気がないから」


このセリフを言うのも今月3回目である。今までならこれで終わったが、今日は違った。


「そうなんですか‥‥なら、セフレとかならいいってことですか?」

「‥‥は?」


何を言ってるんだこの子は。


「付き合う気はなくても、そういうことならいいんですよね?」

「いや、そういうこともする気はない」

「で、でも!先輩だって男の子ですし、そういうことに‥‥‥」


その先の言葉はなかった。

なぜなら、後ろからの殺気にあてられ、気を失ってしまったからだ。


「おっと。」


倒れてきた体を受け止める。

そして、殺気を放っていた人物はわかりきっていたので声をかける。


「はぁ‥。おい、ユキ。わざわざ殺気を放つな。」


木の陰から1人の少女が姿を見せる。


「バレてしまいましたか。お兄様、ご無事ですか?」


心配そうにこちらに駆け寄ってくるのは、1つ年下の妹である才条雪奈だ。生まれつきの銀髪を腰のあたりまでのばし、豊かに育った体を制服に包んでいる美少女だ。運動も勉強もでき、人望も厚い。はたから見れば完璧だが、1つ欠点がある。それは‥‥


「あぁお兄様。そんな汚らわしいものは捨てて、私に体を見せてください。」


「汚らわしいって‥‥。人だぞ。しかも、女。」


「だから汚らわしいのです。お兄様に近づいていいのは私と妹達だけです。」

 

そう。ブラコンなのである。しかも重度の。

俺としては兄離れして欲しいのだが、なかなか離れてくれない。もう、半分諦めている。


「はぁ‥‥。その点については俺はもう何も言わん。この子を保健室に運んで帰るぞ。」


「あぁ、お兄様がわざわざそのゴミを運ぶ必要はないのに。優しいお兄様も素敵です‥‥。」


女生徒を保健室に運んで、俺たちは帰路についた。


△▼△▼△


雑談をしながら返っていると、前から3人ほどガラの悪い連中が歩いてくる。


「ユキ。もう少しこっちに。」

「はい、お兄様。」


あんな感じの連中には関わらない方がいい。というか、関わりたくない。

だか、そんな願望が叶うはずもない。

ユキは美少女なのだから。


「なあ、そこの君。君可愛いねー。よかったら俺達と遊ばない?」


「お断りします。」


「そんなこと言わずにさー。遊ぼうぜ。楽しいよー。」


「ですから、お断りしますと‥‥」


「いいから一緒に来いって!」


男の1人がユキの腕を掴もうと手を伸ばした。

俺は男の手を掴むと思いっきり力をこめた。

-メキメキメキッ


「テメェ何うちの妹にさわろうとしてんだ?アァ!?」


「ぐっいってぇ!」


「テメェ何してやがる!」


「はなしやがれ!」


残りの2人が近づいてくるが眼光で黙らせる。 


「アァ?」


「「ひっ」」


「おいテメェら。この先二度と俺の妹に近づくんじゃねぇ。もし、また近づいたら、全身の骨バラバラにするからな。わかったか‥‥?」


「「「は、はい!」」」


「消えろ」


「「「ひっ、ひぃぃぃぃ!!」」」


男達が完全に去ったのを確認してからユキに話しかける。


「ユキ。大丈夫だった‥‥‥」


「あぁ。お兄様の愛が‥ハァハァ‥‥幸せすぎですぅ‥‥ハァハァ‥‥んっ‥‥」


「‥‥か。」


振り向いた先にいたのは恍惚とした表情を浮かべるユキであった。

地味に内股をこ擦り合わせているのが気になった。


△▼△▼△


やっと家に着いた。

今日の放課後はいつもより濃くて疲れた。 


「ただいまー。」


「「お帰りなさい!お兄!」」


扉を開けると俗に言う裸エプロン姿の美少女が2人いた。

‥‥‥胃が痛い。


「ハル、アキ。着替えてこい。話はそれからだ。」


「感想はないのー?」


「そうだよー。お兄のためにこの格好になったのにー。」


「春奈、秋奈。」


「「ア、ハイ。」」


2人そろって部屋に戻っていく美少女は俺の妹だ。しかも、双子の。


才条春奈と才条秋奈。2人ともユキと同じきれいな銀髪を肩口辺りまでのばしており、髪どめの位置も色もおなじなので、大体の人が見分けられない。


だが、俺は見分けられる。

なぜときかれても困る。

愛がなせる技だからだ。


ちなみに、2人も重度のブラコンだ。

要するに、俺の妹は皆ブラコンなのだ。

リビングでくつろいでいると、階段を下りる音がきこえてくる。


「やっときたか。ハル、アキ。少し話があ‥‥‥」


「ハル!アキ!あなた達は一体何をしているのですか!」


俺が言う前にユキが2人に向かって声をあげた。

さすがのユキもあの格好は見逃せないらしい。


「裸エプロンをするのならば、私も一緒にとあれほど言ったでしょう!」


ちがった。

自分もやりたかっただけのようだ。


「だって、おねえが一緒だと私達の勝ち目がないだもん!」


「そうだよ!いつもおねえばっかりたし!」


「言い訳をしない!私より先にお兄様の妹に生まれなかったあなた達が悪いのでしょう?」


「あ!おねえ、それはおかしい!」


「そうだ、そうだ!」


言い争いを始めた。

テレビ見たいから静かにしてくれないかな。

―ピンポーン

誰か来たようだ。だが、妹達は言い争いをやめようとしない。


「ユウー。いないのー?」


この声は美香か。

何の用だろう。

そう思いながら扉を開けるために立とうとするとユキに止められた。


「お兄様はゆっくりしていてください。」


「いや、俺が出るよ?」


「お兄様はゆっくりしていてください。」


「あ、うん。」


怖い。


「ユウー。いるなら出てきてー。」


ユキが無言で玄関にむかっていった。

アキとハルもついていった。

廊下の扉が開いているので声がきこえてくる。


「あ、ユウ。いたんなら‥‥」


「「残念でしたー!私達でーす!」」


「ふふ。残念でしたね。」


「‥‥‥‥」


「あらあら。悔しくて言葉もでませんか?」


「「出ませんかー?」」


「‥‥ユウは?」


「あなたごときにお兄様が会う必要はありません。」


「「ありません!」」


「なんですってー!!」


玄関で戦争がはじまった。

そうとしか表現できないくらいの言い争いだ。

‥‥‥はぁ。止めに行くか。

あいつらは放っておくと何時間でも言い争っているからな。


‥‥‥今更だけど、この状況っておかしいよな。

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