第3話 1人目
「この足音がもっと近づいてきたら、思いっきりやっちゃってください」
『は、はい!』
「俺がやれることはさっき言った通り支援なんで合わせます」
(俺ができるバフは三つ。攻撃力と守備力、俊敏性を上昇させる。重要になってくるのがそれぞれの能力は上昇させた時間の二倍クールタイムが発生することと他人の能力を上昇させる時間が短いほど基本的に効果が上がること)
(つまり、俊敏性は上昇させる時間によって効果に違いはないが。攻撃力と守備力は攻撃のインパクトの一瞬に合わせられれば最高の効果を付与できて、クールタイムも短くなる)
(よし復習は終わり!)
『ウラッ!』
リュウが上から振り下ろした剣はゴブリンの持つ剣にガードされたように思われたが、リュウの剣はガードをしたゴブリンの剣ごと頭を叩き割った
『どういうことだ?』
「今のが攻撃力上昇です」
『なるほど、前に戦った時はすべてガードされたから、今回も俺の剣がガードされた瞬間に無理だと思ったんですが......。すごいっすね支援職』
「ありがとうございます。先に行きますか」
ゴブリンを何匹か倒しながら進んでいくと赤い血痕があった。
「ゴブリンの血は緑色だった」
『ってことは兄貴!』
「血痕を追いますか」
血痕を追った先に待っていたものは所々身体が欠損していてお腹には大きな穴が開いている男の死体だった。
「もしかして......?」
『兄貴......。』
初めて死体を見たが冷静だったアオとは逆にリュウは泣き崩れていた
『兄貴......。俺を逃がすために......すいません......すいません』
何度も何度も謝り続けていた。
ペタッペタッ
近づいてくる足音にも気づかずに
(なんて声をかければいい。もしこの状態でモンスターが現れたらどうする)
そして、数十メートル先の曲がり角を曲がってこっちに向かってくる2mは余裕でありそうなほどでかいゴブリンにアオが気づく。そして同時にゴブリンもこちらに気づき走り出す。
(最悪なタイミングだよ。本当に)
「リュウさん立てますか?」
『ません......すい......ません』
「おい、立て!」
リュウは茫然と死体を見つめ謝り続けていた。
(仕方ないか......確証はないが、リュウさんがこのままだと俺もまずい)
「りゅうさん、その亡くなられた方のお腹にある大きな穴は俺たちが倒したゴブリンでは持てないほど大きい剣でつけられています。そして今、仇が来てます俺たちの元に」
『仇......?』
(反応した!)
「はい、あなたの兄貴の仇です!」
『あいつがそうなんですか!』
「はい!あの大きな剣間違いないです!」
『うわぁぁぁぁぁぁ!!!!殺してやるぅぅぅ!』
リュウはゴブリンに突進していった。
(動かないよりはいいが考えなしに突っ込みやがった)
『オラァァ!』
(攻撃力上昇しても力は互角。手数を増やそうにも俊敏性上昇に合わせることができないリュウじゃ逆に邪魔になるだけ)
リュウの攻撃はすべてガードされている。
「まずい!」
ゴブリンの蹴りがリュウに入った。
(防御力上昇したが、大丈夫か?)
リュウは立ち上がってすぐにまた突撃していった
(一か八かで俊敏性上昇を使うか、俺も攻撃を?いや、どっちもありえない!せめて意思疎通できれば俺も戦えるが......)
『寄り道はいけないよアオ』
(!?)
後ろを振り向いたアオ、そこには神社で集合の約束をしていた仲間の一人ネイがいた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます