芸賞

エリー.ファー

芸賞

「人生には必ず笑いが必要であると思っているのですが、お笑い芸人という職業は見下される傾向があると思います。しかし、若干見下されていることによって生み出されるハードルの低さが笑いやすい雰囲気を作り出していることも事実なのです。権威は、笑いを邪魔するものでしょうか。それとも、権威が笑いをより面白くするのでしょうか。教えて下さい。よろしくお願いいたします」

「権威を期待した笑いほどつまらないものはないでしょう」


「性犯罪について、どのようにお考えですか」

「ピンクか。まぁ、ねぇ」


「公式とは、どのような意味なのでしょうか」

「金の香りがする文化そのものさ」


「恋愛をしなくても生きていけると思いますか」

「生きてはいけるさ。別に恋愛は必要じゃない。ただ、必要だと思いたい人間が一定数いる。鴨になる。葱まで背負っている時だってある」


「熱い紅茶を使ったダイナマイトアタックは、本番あり、ですか」

「スパートアタックなら本番あり、だね。ただし、ダイナマイトアタックは」


「緊張してますねっ。今、あなたはっ、緊張をっ、してますねっ」

「もちろんですよ」


「タンクトップで僕を活かして下さい」

「バカじゃねぇのか、お前」


「世界で一番下らない。でも、最高だ。そうだろう」

「すべての文化に通じる言葉だ」


「笑えない毎日から逃れるためのタイミング。君はどうする」

「なんだっていいさ。俺たちは、いつだって生きていける」


「スタジオの青いカーテンで肉を包んで焼売にします」

「やってみろ。できるものならな」


「笑えなきゃ意味がないんだよ。エンターテイメントじゃなきゃ意味がないんだよ。アートじゃなきゃ意味がないんだよ。価値がなきゃ意味がないんだよ。分かるだろ」

「分かるさ。大丈夫。安心してくれ」


「どら焼きバッタモンダンス」

「ステップを忘れるな。聞き間違えるな。いいな。何もかも忘れるな」


「釦って漢字、結構好きなんだよね」

「これがパフォーマンスを高めるために必要な訓練ということさ」


「全部、奪って下さい」

「よかろう。期待していたまえ」


「人生には必ず笑いが必要であると思っているのですが、お笑い芸人という職業は見下される傾向があると思います。しかし、若干見下されていることによって生み出されるハードルの低さが笑いやすい雰囲気を作り出していることも事実なのです。権威は、笑いを邪魔するものでしょうか。それとも、権威が笑いをより面白くするのでしょうか。教えて下さい。よろしくお願いいたします」

「お前が知っているように、お前のことなんか誰も興味がない。分かるか。分かっているのか。あぁんっ」


「人生には必ず笑いが必要であると思っているのですが、お笑い芸人という職業は見下される傾向があると思います。しかし、若干見下されていることによって生み出されるハードルの低さが笑いやすい雰囲気を作り出していることも事実なのです。権威は、笑いを邪魔するものでしょうか。それとも、権威が笑いをより面白くするのでしょうか。教えて下さい。よろしくお願いいたします」

「いずれ、戦いが始まり死体が現れる。すべて、お前の後ろだ。あとは、分かるな」


「人生には必ず笑いが必要であると思っているのですが、お笑い芸人という職業は見下される傾向があると思います。しかし、若干見下されていることによって生み出されるハードルの低さが笑いやすい雰囲気を作り出していることも事実なのです。権威は、笑いを邪魔するものでしょうか。それとも、権威が笑いをより面白くするのでしょうか。教えて下さい。よろしくお願いいたします」

「教えられないよ。何一つ、教えるべきではない。あとは、気付くべきだ」

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