第5話 クラウン・ジュエリー
「つ、次は……」
さすがに、こうも受け入れられないと焦る。
おれは汗を拭きながら次の協力者を紹介する。
「『クラウン・ジュエリー』です」
長身で驚くほどの美形。
彼の服装は見事に洗練され、そのスタイルはまるでファッション雑誌から飛び出してきたかのようで、誰もが彼に憧れを抱く。
そんな彼が、スリーピング・ビューティーの手を取ると軽くキスをした。
「買収を防ぐ方法は、買収される前にあなたの本当の魅力がある部分を逃がしてしまえばいいのです」
「……逃がす?どこへですか?」
スリーピング・ビューティーも、美形の彼と手をつなぎ、まんざらではなさそうだ。
「私と、どこへでも。さあ、行きましょう」
彼は彼女の肩に手をかけると、そのドレスをそっと脱がそうとする。
「あなたの本当の魅力は、生まれたときのままのあなた自身。
さあ、服などここにおいて、裸になって私の胸に逃げ込んできなさい」
ドレスが肩からIカップの胸まで下ろされたとき、彼女ははっと我に返ると、彼を両手で突き放す。
「……私はそのような気はありません」
さすが、絶世の美女。
色仕掛けでは落ちないようだ。
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