【二足歩行】反乱軍に潜入したパイロットの俺が、ハニトラに引っかかって、二重スパイになった件について。ロボットの生体部品パーツに、されたくないので戦闘を頑張ります。(あぁ~早く転職してぇ。)【機動兵器】

読んで頂けたら、うれしいです!

第1章 “首輪付き”の潜入者

第1話 拘束 ~美人オペレーターと、“二足歩行兵器”使い~

※この作品には、過激な表現が含まれています。

 ご注意ください。


「君は、他所よそ者だね。」



 安酒場で、兵士の若者は、ハッとしたように、振り返る。

 丸眼鏡で白髪を少し伸ばした男が、若者の後ろに立っていた。



 人には、言われて、ドキッとする言葉、というものがある。


 例えば、『もう、お前は、俺たちの仲間じゃあ、ない。』とか。


 特に、武器を持って、構えている人には、絶対に、言われたくない言葉だ。

 追放が、そのまま、処刑に繋がるからだ。


 たとえ、撃ち殺されなくても、運命は、たいして変わらない。

 この過酷な、冬の惑星では、独りでは、生きてはいけないだろう。


 そのまま、楽にしてもらった方が、よっぽど“幸福”だ。


 強力なスポンサーが背後にいる、独立傭兵は除くだろうが。



 人間にとって、相手の分類は、重要な意味を持つ。


 家族か、仲間か、それとも、他人か。


 人類は、“家族”の定義を、友人にも当てはめることで、共同体を拡大させてきた。

 友人や仲間を、自身の家族とすることで、所属する集団を、より大きく強くした。


 そして、ついには、はるか彼方にある星々を、征服するまでに至った。


 宇宙に進出した人類は、辺境惑星の開拓を進め、この惑星にも、たどり着いた。



「この辺じゃあ、見ない顔だね。 君は、どこから、来たんだい? 」


 丸眼鏡で白髪の男は、酒場で高い酒を飲んでいる若者が、地元出身ではないことを、見抜いているようだ。

 白髪の男の発言は、単に、若者が、この辺の地域出身ではない事だけを、指摘しているわけでは、なさそう。


 若者が、この惑星の外から来たと疑い、取り調べようと、しているのだ。



「場所を、変えよう。」


 無言の若者に、白髪の男は、話しかけ続ける。


「ちょっと、一緒に来てくれないか。」


 それが、合図だったのだろう。

 銃を持った男達が、若者を取り囲んだ。



 警察にしては、服装や武装がバラバラだ。

 地元の自警団だろうか?


 周りの客が、血相を変えて、支払いを済ませ、店を慌ただしく出ていく。

 入口の二重になったドアを閉めずに出ていくので、酒場に冷たい雪が入ってくる。



 俺に、不審な点なんて、なかったハズだ!


 武装した男達を見た若者は、動揺を顔に出し、狼狽えた。



 バカな、もう気づかれるなんて。


 機動兵器の、個人所有は、普通でしょ?

 酒場の裏山に、駐機したって、違法駐車じゃあ、ないでしょ?


 着陸時、バーニアの逆噴射で、山林を少し焼いたのが、良くなかったのだろうか?

 もしかして、山火事とか、起きてます?


 罰金を支払えば、解放してくれるだろうか?


 工作資金として、現金は、ボストンバッグいっぱいに持ってきている。


 外貨だけどな!



「君に、話がある。」

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