後日談

 とりあえず、マスクゾンビ、もとい、<マスク警察事件>については謎が多く、ネットでも話題になったが、未解決事件になっていって、更なる大物芸能人歌手グループのスキャンダルなどで有耶無耶うやむやになっていった。

 落し処としては、太陽風、宇宙線による通信障害ということになったが、世間の人間はいつもながら、そんな適当な説明で何となく納得していった。

 世の中などそんなものである。


 だが、そんな適当な説明に納得しない困った男がここにいた。

 メガネ君である。

 本名は服部信三郎といい、一応、先祖は服部半蔵はっとりはんぞうで忍者の血を引いてるらしいが定かではない。

 今年、21歳になったばかりであるが、都内の某大学三年生である。

 <マスク警察事件>のネットで秘かに拡散された現場の監視カメラ動画を総合すると、<マスクゾンビ事件>とも言える新たな事実が浮かび上がってきた。

 少なくとも100人以上の人間が一斉に倒れて、立ち上がり、また倒れた映像が映っていたからだ。

 まあ、かなりのスローモーションでないと、速すぎて映像が霞んで見えない程なのだが、確かにそういう動きをしているのだ。

 それらの動きがゾンビに似ているので、ネットの事情通には<マスクゾンビ事件>と命名されていた。

 しかも、その映像には彼のよく知る人物であるネットゲー仲間の飛騨亜礼と、かつての宿敵である<魔女>ベアトリスの姿が映っていた。

 <魔女>ベアトリスが滅ぼしかけた異世界とは、メガネ君が迷い込んだ日本の戦国時代のパラレルワールドだったりする。

 宿敵である<魔女>ベアトリスが、何故か秘密結社<天鴉アマガラス>に加入したという情報は知ってはいた。

 そんな因縁もあるのだが、メガネ君も諸般の事情で秘密結社<天鴉アマガラス>に加入しているので、白鷺データサイエンス大学付属小学校の存在も何となくは聞いていた。

 ということで、秘密結社<天鴉アマガラス>の剣の民のリーダーである公安警察の神沢優に事情を問いただしてみることにした。

 何か真相が分るかもしれない。

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