第3話 魔法のお勉強でして

魔法を教えてくれる先生が来るまで一週間掛かるらしいのでその間リネさんに教わることになった。


リネさんは元々学校で魔法を教えていたらしいので適任者だ。


「いいですかアシェリー様。魔法というものは誰でも覚えることが出来ます。


まず魔法に属性があるのはご存じですか?」


「五属性のことだよね。」


魔法にはそれぞれ属性が付いている。


火、水、風、光、闇の五つの属性である。


文字通りそれぞれ


火は炎の魔法


水は水の魔法


風は風の魔法


光は光の魔法


闇は闇の魔法が使える。


ゲームでもそうだった。


一般的には五属性であるとされている…がそこから派生して色々なサブ属性があるが…まぁそれは置いておこう。


「その通りです。魔法は使えても適性がなければ強い力を使うことはできません。


いくら練習しても伸びることはありません。


では適正はどうやったら身に付くと思いますか?」


「えっと…生まれつきのものかもしくは適正石に選ばれたら…だよね。」


虹色の泉のことは…まぁ普通の人は知らないだろうし言わないでおこう。


どこで知ったのか聞かれても面倒だし。


「はい。正解です。基本的には人には生まれつき何かしらの魔法の適性があります。


もしくはこの適正石に触れて反応したらその属性に選ばれた…ということになります。」


そう言ってリネさんが取り出したのは6つの石。


赤、青、緑、白、紫、透明。


5つに加えて置いてあるこの紫の石って確か…


「これって確か無属性の適正石だよね。」


「よくご存じですね。」


「お、お父さんのとこで見たの。」


ゲームで見たから知ってたとか言えないよね…。


「そういうことですか。」


「確か貴重なものだよね?どうしたの?」


「とある伝手で手に入れました。


それはさておき…この石に順番に触れてみてください。


反応したものがアシェリー様の適正となります。」


「分かった。」


リネさんに言われた通りに順番に石に触っていく。


アシェリー…私には生まれつきの適性はない、


これで全外ししたらもう…。


「光った…」


私が触れて光ったのは光と闇と無属性の適正石だった。


アシェリーは適正石の説明が入る前に死亡するから適正石を使用するタイミングがない。


生まれつきは魔法が使えないからゲームでは完全に魔法が使えなかったってことか…。


それにしても光闇込で三属性ですか…ちょっとバレるとめんどくさいかも…


「三属性持ち!?適正石のいずれかが反応するのは分かっていましたが…


まさか三属性も…それに光と闇の適性があるとは…」


「このことは家族以外には内密に…」


「言いませんよ!言ったら命が危ないです!」


「そりゃそうか」


三属性持ちはルミナスファンタジアの世界では珍しい上に光と闇は適性を持つ人間はほとんどいない。


仲間になるキャラでもそれぞれの属性でも二人ずつくらいしかいなかったし。


ゲーム内でも珍しいとはっきりと明言されていた。


知り合いにいるなんてしれたら居場所を吐くまで拷問三昧だろうね。


光属性を持ったヒロインのメイドが拷問で死ぬシーンあるし。


「それで…次はどうすればいいの?」


「適性があっても魔力が練れなければ魔法は使えません。


次は魔力を練る練習をしましょう。


まずは目を閉じて体の中の魔力の流れを感じてください。」


「目を閉じて…」


言われた通りに目を閉じて集中する。


すると血が熱くなり何かがたぎるような感覚に襲われる。


これが魔力…。


なんか不思議な感じだ…。


「これを一日15分はやること。」


「それだけ?」


「これだけではありませんが…とりあえずこれをすれば感覚は掴めると思います。


どうでしたか?」


「なにか熱いものが流れてるのを感じたよ。」


「それが魔力です。その感覚を忘れないでくださいね。」


「うん。」


「では次は…っともうこんな時間ですか。今日はここまでにしましょう。


ご飯を作ってくるので30分ほどしたら来てくださいね。」


そう言ってリネさんは部屋を出ていった。


「先生が来るまでに魔力を自由に操れるようにしておかないとね…」


せっかく魔法に長けた先生に教えて貰えるんだしそれなら最初から応用から教えて貰う方がいいからね。


私はリネさんに言われたことを思い出しながら自主練に入るのだった。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る