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保健室で、「おかあ、さん、っ、とっ、幸せに、なりたい、ん、ですっ。」と泣きながら言うと、教師は勝手に...



教師:「だから、電信学習装置を借りたかったんだね。」



と、納得してくれた。



埋原:「はい...。」


教師:「でもね、あれはね、学校じゃないと、使っちゃいけない。」


埋原:「なんで?」


教師:「個人で使うのは法律で禁止されてるからだよ。」



え...そうなのか。

じゃあ、罪津の知り合いも持ってなさそうだな。

違法行為バンザイな人でもない限り。



埋原:「カートリッジは、個人で持てますか?」


教師:「実はそれはグレーなんだよね。」


埋原:「グレー?」


教師:「個人が持つ事さえも禁止すると、作る時に違法状態になってしまう。」


埋原:「工場で作ってるわけじゃないんですか?」


教師:「内容を入力するのは個人がやる場合もある。」



吸出し品ってのはそれかな?

って、先生、何か知ってるんじゃ?



埋原:「先生は、吸出し品って知ってますか?」


教師:「あれはねえ...興味持つのはわかる。でも、欲しがったらダメだよ。」


埋原:「どんな物なのか知らないといつまでも気になるんです。」


教師:「ん...個人の情報を機械で引き出したものだよ。作るのに認可が要る。」


埋原:「売ったりできますか?」


教師:「できない。それは犯罪だね。」



じゃあ、あたしが〆ノレ力リで見たやつは、吸出し品じゃないんだね。

いや...もしかしたら、犯罪覚悟で売ってる?

あそこにはそういう商品もあるからなあ。


その後、落ち着いたあたしは、職員室に行って、出席しなかった1限目の内容をまとめたプリントを受け取った。


その時に...


朴2の鍵が置いてある場所を、しっかり確認した。

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