陰キャでもSSS探索者ならダンジョン配信しろ!
楓 しずく
第1章 ダンジョン配信開始編
#1 陰キャ・ビー・アンビシャス!
―ダンジョン。それは探索者達にとって夢の場所である。
「探索者になった理由かい? それは、誰よりも輝きたかったからさ!」
輝きたかったから……。
昔テレビで観た探索者のインタビューに私、斎藤あやめは心を奪われた。
「僕は昔、引き籠もりで陰キャな少年だった……だが、ダンジョンと出会い探索者になってから人生が輝き出したんだ! 陰キャ・ビー・アンビシャス! 世の陰キャよ、大使を抱け!」
…こんな陰キャな私でも、ダンジョンを攻略する探索者になれば人生輝けるのかな?
それにダンジョンの中って暗いし、ひとりの探索者も多いみたいだし……もしかしたら私でも―!
早速両親に話して、お父さんからはお古の剣を。お母さんからは魔導書を貰った。
ちなみに両親は元探索者で、二人はそれぞれ剣士と魔導士として同じパーティーに所属していたらしく、そこから結婚して私が産まれたらしい……。
早速剣を手に持って振ってみる。
「…お、重い。こんなのを振り回さないといけないの?」
次に魔導書を読んでみる。
「フムフム……まず魔法の基本は火の魔法を出す事からなのか……」
えい!
―ポスッ
だ、ダメだ……全然上手く行かないよう……。
それから毎日8時間、何度も挫けそうになりながらも特訓を続けること早数年―。
ネットの探索者コミュニティに参加し、たくさんのアドバイスをもらいながら成長した斎藤あやめは、ついに念願のダンジョンデビューを果たしたのだった!
「待ってろよダンジョン……立派な探索者になって私も人生輝いてみせるぞ!」
★☆★☆
─私、斎藤あやめ十六歳。
アニメやゲーム大好きな友達ゼロの陰キャな少女です。
探索者に憧れて早数年……そんな私も気がつけば、現在SSSランク探索者にまでなっていました。
昔テレビの探索者に憧れ、探索者デビューをしてから毎日ダンジョン攻略を繰り返しているうちにいつの間にやら─。
ちなみに探索者名である『パンダヒーロー』はネットや探索者達の間ではけっこう有名です。
「…さて、今日もダンジョンでの報告を投稿しないと……」
パンダヒーロー@panda_hero
お疲れ様です。今日も無事ダンジョンをクリアする事が出来ました!
『乙です! さすがパンダヒーローさん』
『やっぱりSSSランク探索者はハンパねぇっす』
『今日のモンスターはどんなやつでした?』
フフフ、やっぱりネットのみんなの反応は楽しいなぁ。
私は陰キャだから普段ひとりでダンジョンを攻略しているけど、ネットのフォロワーさん達がいるから寂しくないし!
『そういえばパンダヒーローさんは、ダンジョン配信しないんですか?』
─ん? ダンジョン配信? そう言えば今って、ダンジョン配信するのが探索者の間では流行ってるんだっけ……?
パンダヒーロー@panda_hero
私は今のところやる予定はないですね。
『え、やらないの?』
『パンダヒーローさんの配信見てみたいんですけど!』
『ってか、今配信やってない方が少なくね?』
『SSSランク探索者なのに配信しないとか萎えるわ』
……あれぇ?
なんだかみんないつもより攻撃的になってません?
いや、むしろ配信していない私がダメなのかな?
パンダヒーロー@panda_hero
でも、私陰キャなので配信はちょっと……。
『ここにいる奴ら全員陰キャだから問題ない』
『配信したら絶対バズるよ?』
『陰キャ・ビー・アンビシャス! 陰キャよ、大使を抱け!』
─陰キャ・ビー・アンビシャス……陰キャよ、大使を抱けか……。
あやめはかつてのテレビで観た探索者の言葉を思い出していた。
それに、配信したらバズるか……もしかして、これは陰キャな私でも輝けるチャンスなのかも……?
─あやめの妄想
パンダ!
パンダ!!
パンダ!!!
パンダ!!!!
パンダ!!!!!
「パンダヒーロー最高!!!」
観衆の前てガッツポーズする自分の姿が浮かんだ。
─うへへ、意外と悪くないかも……?
こうして、私斎藤あやめはダンジョン配信をする事に決めたのでした。
パンダヒーロー@panda_hero
パンダヒーロー、ダンジョン配信デビューします!
—————————
あとがき。
最後までご高覧頂きまして、ありがとうございます!
【次回】ダンジョン配信スタート!
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