第34話 怪物王子 別SIDE


「彼奴、本当に何やっているの?」


いや、押し付けたのは私らだけどさぁ…


折角、私らラバーガールが良い女を斡旋してやるって言っているのに、頑なに拒んでいるから、少し腹が立っていたんだ…


そこに、あの最悪の女エナの事を誰かに騙されたのか解らないけど、検討したいみたいな事いうからさぁ~


見せない状態で押し付けたんだよ!


価値なんて全く無い。


愛人なんて出来ない『一応女』


私らのパーティは確かに『愛人冒険者』『娼婦』の仕事をしているが…


その根底は、弱い女の救済もあるんだ。


だから、エナみたいな奴でも救済として最低限の生活を保障しなくちゃならない。


本当のお荷物なんだが…


あの、ツバサって冒険者何者?


気持ち悪い、機械人形女…焦げ臭い臭いがして神々が授けた肉体を切り刻み改造した事により嫌われた一族。

表情が解らず、笑っているのかどうか解らない、薄気味悪い女。



精霊に愛された民族エルフをおちょくった様な女。顔はそうかも知れないが体はお腹こそへこんでいるがオークの様な醜い体の女。



そして、口を開かなければ可愛く見えるが、口を開けば凶暴な牙が見えて、体も固く、そして女の癖にあれがついているエナ、しかも生きたままの魔物をそのまま食べる残酷さ。


彼奴、頭が可笑しいんじゃないの?


「彼奴、なんで嬉しそうなんだ?」


「あのエナの頭を嬉しそうに撫でているし…可笑しいんじゃないのかな?」


「あの、表情が変わらない薄気味悪い女と腕を組んで、可笑しいよ、あいつ」


「あの、顔だけエルフの臭い女とも仲良くしているし、オークみたいな体じゃ鑑賞にもならないよな」


「それで、あそこに入っても良いって奴いる?」


「「「「「無理」」」」」


うん、私もそう思った。


ルーキーにしては良く稼ぐし、面も悪くない。


だが、あの中に加わる女は多分居ない。


勿論、私らもな…


しかし、嫌われ者女で神々から見捨てられた存在を集めて何がやりたいのかね?


それに、そんな男に祝福を与えた神って何者なんだろう。


『怪物王子のパーティ』頭の中にそんな言葉が浮かんだ。

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