第7話 パーティについて考える
体が少し痛い。
「ステータス」
名前:クロキ ツバサ
状態:疲労
レベル:1
HP:4/10
MP:10
守護神:黒闇天(雪乃)
スキル:翻訳、収納、無病息災(常時発動)、恋愛成就(常時発動)、心願成就(常時発動)、貧乏小(常時発動)、器用貧乏
魔法:
アイテム:金貨入りの小袋(金貨4枚)ゴブリンの魔石×2
HPが4になっている。
HPが0になるとどうなるんだ?
こんな事、真っ先に聞く事なのに、何処かゲーム感覚がライトノベル感覚だったのだろう…聞かなかった。
帰ったらギルダーさんに聞かなくちゃな。
オーガに殺されそうになったけど、スキルのおかげで助かった。
これは言わない方が良い。
多分、こんなスキル他に持っている人間は居ない気がする。
どう考えても異世界ではなく、神社のご利益だ。
ジムナ村は穏やかな村で皆優しそうだ。
それでも、マイナスになる様な事は話さない方が良いだろう。
それに災害にあった時に『自分だけが助かる』というのは後ろめたい。
しかし、凄い格好だな。
短剣は無事だけど、軽装の鎧はもう駄目だ。
納屋にまだ沢山あるから、他の物に代えた方が無難だな。
『帰ろう』
僕の初めての討伐は思った以上に苦い物になった。
◆◆◆
「どうしたんだ? ボロボロになって」
ギルダーさんにオーガについて報告しておいた方が良いだろう。
「いやオーガに出くわしまして命からがら逃げてきたんです」
「そうか、災難だったな!滅多に来ない場所なんだが運が悪かったな」
雪乃様を信仰して無ければ死んでいたかも知れない。
此処に帰ってこれた事も運のうちだ。
異世界では如何に命が軽いのか解った気がする。
「逃げられただけ、運が良かったですよ」
「俺もそう思うな」
「僅かですが、討伐した魔石があるのでお願いして良いですか?」
「ああっ勿論だ、ゴブリンの魔石が2つ、銀貨1枚だな!最後に怖い思いをしたみたいだが、初日してはまずまずじゃないか?」
「ありがとうございます」
今現在の僕の持ち金は金貨4枚に銀貨1枚。
前世に換算すると約41万円。
結構な金額を持ちすぎな気がする。
暫くは魔石のまま持っておきお金に換えない方が良いだろう。
「それでどうだった?お前の神様はちゃんと助けてくれそうか?」
どうしてそんな事を聞くんだろう?
「どうして、そんな事を聞くのですか?」
「今迄来た異世界人でこの世界の神の祝福を貰わなかった奴は悲惨な人生を歩む奴が多かったんだよ…殆どがそいつの勘違いで『神様』の祝福なんて誰も貰って無かった…だから気になっただけだ」
「そうですか? 僕は大丈夫ですから気にしなくて良いですよ!」
「そうかい?なら良かった」
なんで心配そうな目をするんだ。
「それで教えて欲しいんですがHPが0になるとどうなるんですか?」
「1から0にはなかなかならない。だが、それでも0になったら死ぬ、だから気をつけろよ」
知らなかった。
やはり聞いて置いて良かった。
「気をつけます!そう言えば僕以外の皆はパーティを組んでいるんですよね?」
「全員ではないかも知れないが、同じ神から祝福を受けた者同士で組んでいる者が多いんじゃないか!神によっては元からクランを持っている存在も居て大きな所は50人を超えるみたいだな!」
「そうですか」
やはり、ソロは難しいのかも知れない。
「例えば、この先、僕がパーティを組むとしたらどうしたら良いんでしょうか?」
「パーティメンバーなら冒険者ギルドで探すか、何処かでスカウトするかだな!その辺りがメジャーな方法だ、それでツバサはどんなパーティメンバーを探しているんだ?」
「貧乏な人…」
「冗談言うなよな…有能な冒険者は馬鹿やった奴以外はそこそこ収入がある!貧乏な奴はいないぞ!だが、本当にそんな存在を探しているなら、ダンジョンのある都市のサポーターに声を掛けるとかスラムでも探せば幾らでも居る! 喜んでパーティを組んでくれるが…実力は無い奴ばかりだぜ!」
「そうですか…例えば、この村には居たりしませんか?」
「見ての通り、冒険者が居ないからサポーターも居ない! 貧しい村だが生活には困らない位は稼げているから、ホームレスも居ないな、実際にギルマスの俺だってこの村の冒険者の相手は殆どしない、ただ近隣にギルドが無いから、他から来た冒険者の相手をする為に居るようなものだ」
確かにこのギルドに実際に居るのは僕だけだものな。
「確かに…そう言えばHPを回復するようなポーションってあるんですか?」
「一般的な奴ならあるぜ!1本銅貨5枚だ」
「それじゃ、それを2本下さい」
「あいよ、ほれ」
今日の稼ぎがそのままポーション代だ。
早い所レベルをあげないとジリ貧だ。
僕はお金を払いポーションを受け取った。
「ありがとうございます」
「まぁ気落ちしないで頑張れ」
取り敢えず今日は…疲れた。
寝よう。
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