第5話
「夏さん!!」
その日、先生は怒っていた。俺のために
「なんで、字が汚いから0点にしたの!!」
「ごめんなさい!!」
「いい、優くんは優しいから怒らないし、言わなかったけど、あーやってみんなに言うなんて、最低だから!優くんが何処まで傷ついたと思うの!!」
「ごめんなさい」
夏さんは謝っていた。泣きながら謝っていた。
だが、俺は夏さんには怒りは溜まっていなかった。何故なら、いつも0点なのは先生も知っていたし、先生も0点だと広めた所を見ていたからだ。
先生だって一緒に笑ってじゃん。
「ごめんね、優くん、ごめんね」
俺に謝る、夏さん。俺は夏さんに嫌だとか、辞めてとかはっきり言う力がなかった。相手も悪気はないのは普段の性格から知っている。
「そ、その、うん」
だけど、俺は先生に文句を吐ける力もなく、俺は彼女の謝罪を受け入れるしかなかった。
この日、俺はずっと家族だけは唯一嫌いだったけど、他にも嫌いな人が出来た。
だけど、当然口には出せないし、逆らったら生きて行けない。
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