珈琲の花言葉を知っていますか?

藤泉都理

第1話 最後




 この珈琲豆には俺の魂が籠っているんだ。


 枯れてしまった珈琲の木から採れた最後の珈琲豆を、コーヒーカップ二杯分しかないだろうその珈琲豆を、あいつは抱きしめながら言ったんだ。

 私は思わずもらい泣きしつつ、あいつの逞しい背中を見ていた。




「いや。魂が籠っているって、言った、けど、なあ」




 まさか本当に魂が籠るだなんて、思いもしなかった。











(2023.9.29)



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