記録:2 発見

大きな施設に潜入中、少し古めなボイスレコーダーを発見。

以後、音声記録をつけることにする。


録音が中断されました。


録音が再開されました。


今日はいつも通りの一日だった。

奴も近くにはいないみたいだ。

しかし、備蓄が少しずつ減ってきているのは確かだ。どうにかして補充しなければ。

さっきこのレコーダー内の音声を再生した。

どうやらこのレコーダーのある施設には物資が潤沢にあるようだ。

明日もう一度潜入しようと思う。

今度は少し人数を増やさなければ。

出発は2日後だ。


録音が中断されました。


録音が再開されました。


妹と喧嘩した。

原因は僕のミス。

今は村の人総出でそのミスの後始末をしている。

そのうちに明日の準備をしておこう。

人も集めておかなければ。

明日、帰ってこれたら妹に謝ろう。

備蓄はもうそろそろ切れる。必ず成功させなければ。


やらかした。

レコーダー内の音声はこうも言っていたじゃないか。

「奴が来た。」って。

物資があることに興奮しすぎていた。

連れてきた人の中に生存者はいない。

僕ももうそろそろ見つかるだろう。


...どうか、村の人々が無事でありますように。

妹よ、不出来な兄で済まない。


生者に勇気を、死者に誇りを。


録音が終了されました。

.....再生を終了します。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る