25
甘いのに後味がすっきりしていて飲みすぎてしまう。
僕もオルトも赤い顔になった。
あの頃、僕にはさきおには負けたくないという気持ちが存在していた。
だから仕事で結果を残したかったし、そのタイミングで運よくいい仕事をすることができた。
オルトにはさきおみたいな存在はいないのだろう。
もしあの時さきおが居なかったらどうなっていただろう。
今のオルトと同じような気持ちになっていたかもしれない。
外山さんという目標があったこともプラスに作用をしたのかもしれない。
「誰か目標になるような人は居ないの?それかライバルになるような人とか。」
「目標とライバルですか。そうですねえ。」とちょっと考えている。
「同期は確かにライバルかもしれないです。でもそんなに意識は強くないです。みんな違うことをしてるし。」
「先輩で目標になるような人は今はいないですね。ちょっと前には居たんですけど異動しちゃいました。」と付け加えた。
だとすれば確かに辞めたいという気持ちもうなずける。
「同じ仕事をしている同期は居ないんだ?」
「そうです。みんなバラバラになって違うことしてます。」
なんかいいアドバイスが出来ればいいけど、同じ状況に遭遇したわけじゃないから難しい。
でもまだ転職には早すぎる気がする。
「もう少し頑張ってみて期限を設けたら?」
「期限?」
「そう。やっていくうちに考えも変わるかもしれないし、別のなにかが起きるかもしれない。あんまり早く転職してもいいことはないよ。だから5年とかあるていどは期限を設けてそこまで行ってもだめだったら転職を考える。」
オルトはうなずいている。
「でも年を取ると転職もしづらくなるって聞いたこともあって早めに決断したほうがいいのかって思ったり。。」
「まだ大丈夫だよ。むしろもうすこし経験してからの方が転職にも有利だよ。」
外山さんが転職に苦労した話を思い出した。
「ありがとうございます。だいぶすっきりしてきました。」と笑顔を見せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます