7
青田再浮上作戦は、結局、時が解決するしかないモードに戻った。
手詰まりだ。
今日は昼休みあこがやってきたから給湯室まで行って小声で青田の話をした。
館山さんの件も話した。
あこも青田のことは心配している。
どこかみんなで遊びに行くって計画はどう?とあこは言う。
「どこかって?」
「遊園地とか。」
笑ってしまった。
青田がメリーゴーランドに乗っているのを想像してしまった。
「確かに気はまぎれるとは思うけど。」
「だめー?」
「もうちょっと何かブレイクスルー的な。」
「ブレイクスルーねえ。」
あこも腕組みをして考え始めた。
こうやってみんな青田のことを考えているんだよと青田に伝えたかった。
「また考えとく。」
結局名案は浮かばずだった。
席に戻ると青田は背を丸めてスマフォをいじっている。
あの背筋を伸ばしたい。
遊園地かあ。
今はとにかく仕事に没頭することで少しづつ改善するだろうと思い、
いつもより多めに青田に仕事を回した。
それでも何も文句を言わずもくもくと仕事をこなしている。
その姿がいじましかった。
遊園地でもいいのかもしれない。
気晴らしを積み重ねていけばいいのかもしれない。
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